前置き長い間「匿名の烏合の衆記事だから主義として読まない」ことにしていた「ウィキペディア」の記事に時々は監視のために目を通さざるを得ない立場になって(*)二週間経ちました。
(*) このブログの「
ウィキペディア」
と題した記事をご覧ください。気付いたこと一つ : 日本語版ウィキペディアの植物に関する記事は、
似非(えせ)
語源の宝庫です。
ストラスブール大学附属の植物園から届いた資料の中に「日本の植物の一つ
Neji」というのがありました。何のことか分からず、その植物のAllium fistulosumというラテン語の学名を頼りに探したら、「葱(ねぎ)」のことでした。
フランス語の綴りの規則では「gi」も「ji」も同じ発音で「ジ」と読みますから、日本語のニの字も知らない係員が書き間違えたのでしょう。よくあることです。
この矮小事件の副産物が以下の記事です。
本文日本語版ウィキペディアの「ネギ」のページに「
根を食べることから「ネギ」と呼び」とあって、呆れ果てました。
葱の根っこを食べるのが好きな人って、日本中探して何人ぐらいいるのでしょうか。葱の白い可食部分は「葉」です。これを「根」と見誤ったことから「根深(ねぶか)」という別名があるとは聞いていますが、今時、葱の根と葉の区別の出来ない人なんているのでしょうか。
もしも「
根を食べることから「ネギ」と呼び」という語源説が正しいのだったら、蕪(かぶ)、大根、人参、山葵(わさび)、牛蒡(ごぼう)、里芋、山芋、薩摩芋なども「ねぎ」と呼ぶことになっているはずです。
それに、「ネ」が「根」だったとしても、「ギ」が説明不可能なままで残ります。尤もらしささえ無いこんな滅茶苦茶な語源説を書いて平気な人って、F爺に言わせれば恥の感覚の欠如した「○○××△△野郎」(*)です。
(*) 何のことか知りたい方は『漂流するトルコ』の84ページの脚注をご覧ください。「ウィキペディアは信用できない」というF爺の信念は、日に日に、いやが上にも確固たるものになっていきます。