金田一春彦のトンデモ記事(続)
- 2016/06/07
- 18:14
ブログ記事「金田一春彦のトンデモ記事」の続篇です。金田一春彦が1965年2月14日付けの東京新聞に書いた「ことば歳時記」の内容と酷似した記述が別人の論文にあることを粉雪さんが知らせてくださいました。洞(ほら)富雄という(F爺にとっては初耳の)歴史学者が昭和27年(= 1952年)に吉川弘文館の雑誌『日本歴史』に執筆した論文「江戸時代の一般庶民は果たして苗字を持たなかったか」の一部を引用します。挿話の出典は柳田國男の著作...
金田一春彦のトンデモ記事
- 2016/05/26
- 19:43
前置き有名な「国語学者」金田一春彦の著作には、歴然たる重大な誤りが多数あります。このブログでも、既(すで)に「金田一春彦の岩波新書」と「金田一春彦の場合」とで具体例を指摘しました。本文『苗字(名字)の読み方辞典』というサイトがあります。その運営者の一人・信太(しだ)一郎氏から届いたメールで、金田一春彦が、日本人の苗字に関しても、新聞記事で誤った説を披露していたことが判明しました。問題の記事は、1965年2月1...
帝国ホテル
- 2016/04/26
- 20:08
長い前置き火狐さんからブログ記事「日本語廃止論(3)」に届いた二通目のコメントに、〈近畿大学が名称の英語表記を従来の「Kinki University」から「Kindai University」に変えた〉というニュースのご紹介がありました。理由は「Kinki」が「kinky」と同じ発音になって笑いを誘うから、ということだそうです。火狐さんのご意見と同じ考えなので「そんなことを気にするのは、愚かなことです」と返信に書きましたが、日本の「帝国ホテ...
命・暮らし・人生・・・(後)
- 2015/06/29
- 20:40
ブログ記事〈「生まれる」と「産まれる」(続)〉の冒頭に、西谷修という人物の持論と裏腹に(*)、「英語の« I was born. »に相当するフランス語の « Je suis né. »は受動態ではない」ことを書きました。(*) この記事で引用したのは、『高等学校現代文B』(第一学習社)という教科書に載っている「いのちのかたち」と題した文章です。西谷修の『理性の探求』(プライム)という著書からの抜粋だそうです。フランス語をまともに習得して...
井上ひさしの場合(続)
- 2015/05/09
- 20:21
三郎さん 井上ひさしが著書で犯している夥(おびただ)しい間違いの報告を続けます。『私家版 日本語文法』の165~171ページに「n音の問題」という記事が載っています。英語やフランス語で否定を表わす語の多くが「n」で始まることに目を付けて、170ページに〈すくなくともインドヨーロッパ語族や日本語においては、nという音は否定をあらわす〉と書いています。そして・・・信じがたいことですが・・・日本語の「nという音」は撥音...
井上ひさしの場合
- 2015/05/06
- 02:42
三郎さん ブログ記事「フォーク並びって何 ?」にお寄せ下さったコメントでの井上ひさしの著作のご紹介、ありがとうございます。F爺は、井上ひさしの書いた物を一冊しか読んでいません。『私家版 日本語文法』という本です。斜め読みでやめました。23ページで主題標識の「は」を「格助詞」と呼んでいます。とんでもない間違いです。165~171ページで、幸田露伴を引用して、「ん」を「*通鼻音」と呼んでいます。必ず閉鎖音だと思い...
毛糸
- 2015/04/21
- 18:25
「毛糸」という言葉をF爺は、子供の頃から今に至るまで、ずうっと/keeto/と発音しています。秋田市で高校生だった頃のある日、金田一春彦監修の『明解 日本語アクセント辞典』を買い求めました。〈「毛糸」を標準語では、/keeto/ではなく、/keito/と発音するのだ〉という意味のことが載っていました。〈「生徒」は/seito/でも/seeto/でも良いし「帝都」は/teito/でも/teeto/でも構わないけれど、「毛糸」は/keito/でなければなら...