83番・一宮寺にお礼参りの後
- 2017/06/09
- 18:09
2016年□月○日。遍路道を一巡りして来て、83番・一宮寺にお礼参りの後は、至近距離にある温泉ホテル「天然温泉きらら」で骨休めをすることにしました。今回の四国遍路最終泊です。前回と同様、早目に宿に着いて一度お風呂に入り、夕食後、もう一度浴室に舞い戻ります。露天にしつらえてある五、六人用の浴槽の一つに浸(つ)かって足腰を揉(も)んでいると、話しかけて来た浴客がいました。50歳台と見えます。土地の人のようです。「あ...
86番・志度寺門前の「冨士屋旅館」
- 2017/06/01
- 19:56
2016年□月○日。86番・志度寺への挨拶を終えて、門前の「冨士屋旅館」に午後四時という早い時間に着きました。到着呼び鈴を鳴らすと、女将さんがすぐに笑顔で出て来ました。「電話で予約したFです」「はい、お待ちしておりました」愛想の好い出迎えです。《初めての宿だけど、気持ちよく泊まれそうだな》先に風呂場と食堂の場所を示してから、階段を上って左へ少し進んだ所の室(へや)に案内してくれました。どの室も入り口がドアに...
85番・八栗寺と86番・志度寺
- 2017/05/18
- 20:07
(「暇乞い」の項の末尾に追記があります)2016年□月○日。私設の遍路休憩所「仁庵」でお昼の弁当を食べている間に、想定外の「コンポステラ口論」が起こりました。話を聞こうとさえしない相手に呆れ果てたF爺は、さっさとその場を離れることの方を選びました。暇乞(いとまご)い弁当を食べ終わってすぐ、早々に暇乞いをします。私設の遍路休憩所は、元々、長居をする所ではないのですから、難しいことではありません。「そろそろお暇(...
84番・屋島寺と「仁庵」さん
- 2017/05/16
- 19:57
2016年□月○日。80番・国分寺の近くの「せと国民旅館」で6時半に朝食。7時頃に宿の主人の「行ってらっしゃいませ」(*)という挨拶を背中に聞いて出立しました。(*) 連泊するわけではないのですが、「近々にまたのお越しをお待ちしております」という含みの挨拶です。前日歩いた道を西へ1kmほど戻って、JR国分駅から電車に乗ります。81番・白峯寺(しろみねじ)と82番・根香寺(ねごろじ)は割愛します。83番・一宮寺(いちのみやじ)は最後...
79番・高照院
- 2017/05/11
- 19:16
2016年□月○日。曇り。R君と二人で財田川のほとりで「財田川よ 心あらば」を歌った後、JR観音寺駅から坂出駅までは、電車に乗りました。R君が歩いたことのある道をこのまま歩き続けるよりも、まだ歩いていない道の一部を見せてあげたほうが良いと判断したのです。それも、特徴のある札所を見せた方が良いと。JR坂出駅から79番・高照院へJR坂出駅から東へ、79番・高照院へ向かいます。前回まで、駅の近くの某企業の前庭に「お遍路さ...
財田川のほとりで「財田川よ 心あらば」
- 2017/04/20
- 19:27
2016年□月○日。天気は、曇り。66番・雲辺寺と67番・大興寺のお参りを済ませたR君とF爺が午後2時半頃、財田川(さいたがわ)のほとりにやって来ました。川向うが68番・神恵院(じんねいん)と69番・観音寺(かんのんじ)です。「これですね、財田川って」「これだね」「・・・」「去年までは、ここへ来ても・・・何も知らなかったから・・・何とも思わずに橋を渡ったけど、今年からは違う・・・」橋を渡る前に、手前右側の岸を少し歩きま...
池田町佐野の「民宿岡田」から66番・雲辺寺へ
- 2017/04/16
- 18:20
2016年□月○日。徳島県池田町佐野の遍路宿「民宿岡田」で6時半に朝食。朝食が終わる頃、同宿の白髭お遍路さんに「納札(おさめふだ)を一枚いただけませんか」(*)と所望されました。(*) 納札には、普通は自分の名前と住所を書きます。遍路同士が親しくなった場合に「名刺交換」の代わりに「納札交換」をすることがあるのです。とても良さそうな方だったので一瞬心が揺らぎましたが、泣く泣くお断り申し上げるしかありませんでした。「...