「ままま」「ばばば」「ししし」「ききき」「わわわ」・・・
- 2017/10/19
- 19:53
(記事の末尾に新たな追記があります)(「ししし」の項に「しししし」と題した追記があります)2017年10月17日にブログ記事〈「ら抜き言葉」(2)〉に届いた「みやゆふ」さんのコメントが面白かったので、この記事を立てることにしました。「みやゆふ」さんのご質問は、こうでした。*****「そこここ」は、子音を含む同じ拍が三つ続く単語だと言えるでしょうか?*****F爺の答えは、こうです。*****言えません。「そこここ」は、単一語で...
日本語は腹話術にうってつけの言語(2)
- 2016/11/15
- 22:02
「腹話術論」の第二篇です。日本語は、母音の発音に唇が関与しないので、腹話術師にとって重宝な言語です。あとはマ行音、バ行音、パ行音の誤魔化し方さえ覚えれば良いので、素人でも短時日にかなり上達します。マ行音、バ行音、パ行音の誤魔化し方F爺は小学生の頃にどこかでこんなことを聞きかじりました。〈下唇の代わりに舌を上唇の裏に当てれば、口を閉じないで、マ行音、バ行音、パ行音の発音が出来る〉試してみたのですが・...
日本語は腹話術にうってつけの言語(1)
- 2016/11/14
- 21:28
長い前置きブログ記事「絶対音感」に「風来坊」さんから届いたコメントへの返信に、2014年1月28日に、こう書きました。*****フランス語やドイツ語と違って、日本語の母音の発音に唇はほとんど関与しないのです。大切なのは、舌の位置です。このことは、いずれ「日本語・音韻」のカテゴリーで詳しく書きます。*****これとは別に、ブログ記事「アイウエオ」に日本語の母音音素について「唇が関与しないこと」を少し書きました。2016...
「ヤ行」上一段活用
- 2015/05/26
- 19:27
順序が逆になりましたが、粉雪さんがブログ記事「いろは歌」にお寄せになったコメントでの最初のご質問にお答えします。コメントの最初の部分を引用します。但し、勝手に色分けをし、また一部を勝手に太字にしました。*****日本の学校で教える古語文法では「射る」「鋳る」をヤ行上一段活用として教えています。一段でイだけなのですからア行ともヤ行ともつかないのに、ヤ行とする根拠は「射る」の場合は「弓」や「矢」、「鋳る」...
ん
- 2015/04/21
- 19:16
ブログ記事「勧誘の「-よう」」に粉雪さんがお寄せくださったコメントに、次のようなご質問がありました。*****「ん(ぬ)」という否定表現は概ね西日本に多く、東日本では「~ません」という形以外にはあまり言いませんが、「む」「ぬ」からそれぞれに変化した「ん」の同音衝突は西日本においては起こりえたのではと考えました。しかし、「(む→)ん→う」の変化が全国的に起きたのちに、西日本での「ぬ→ん」の変化が起きたと考えれ...
「こおり」と「こうり」
- 2015/04/18
- 19:03
現代仮名遣いでは、「氷」は「こおり」と書き、「公理」「高利」「功利」「行李」などは「こうり」と書きます。しかし、発音の違いはありません。書き方に違いがあるのは、前者を「歴史的仮名遣いでは『こほり』と書く」というのが唯一の「理由」です。同じく「十」は「とお」と書き、「党」「塔」「糖」などは「とう」と書きます。しかし、発音の違いはありません。書き方に違いがあるのは、前者を「歴史的仮名遣いでは『とを』と...
薄翅蜉蝣と薄馬鹿下郎
- 2015/04/16
- 18:47
日本標準語(= 共通語)(*)で「が、ぎ、ぐ、げ、ご、ぎゃ、ぎゅ、ぎょ」の仮名で書く拍の子音には「鼻にかからない[ɡ]」と「鼻にかかる[ŋ]」(= 謂わゆる「ガ行鼻濁音」)と二種類の発音があります。ドイツ語や英語では、前者を「g」で、後者を「ng」で、表わします。(*)「標準語」または「共通語」は、東京の「山の手」地区の方言を基盤にしていますが、山の手方言そのものではありません。標準語では、ガ行音は、大原則として「語頭...