時制論 : 動態動詞
- 2014/05/07
- 06:31
この辺で「時制論シリーズ」を纏(まと)めます。「無時制論」としたほうが良かったかもしれませんね。今日の記事は、「完了か否か」および「継続か否か」と「過去、現在、未来」とは別の問題だという主旨です。完了相と未完了相例文(1) : 昨日、Aさんに電話した後でBさんと会った。例文(2) : 明日、Aさんに電話した後でBさんと会う。例文(3) : 昨日、Bさんと会う前に、Aさんに電話した。例文(4) : 明日、Bさんと会う前に、Aさんに電...
時制論「だ」「です」「である」
- 2014/05/04
- 00:16
「あ、○○さんだった !」「Aさん !」「・・・」「Aさんってば !」「・・・」「ねえ、Aさん・・・。あ、違った。Bさんだった。ごめんなさい。てっきりAさんだと思っちゃって・・・」ということが(F爺のような慌て者には)時たま起ります。この場面での「Bさんだった」は、「他の人ではなくBさんであることに今(= 現在)気が付いた」という意味です。その人が「昔、Bという名前だった」ということではありません。暫く前にちらと知り合...
時制論・イ形容詞
- 2014/05/01
- 00:54
「良かった」「短かった」「近かった」など悪い結果になりそうで心配していたのが取り越し苦労だったと分かって安堵した時、「ああ、良かった」と言います。状況は、「過去のある時期に良かった」のではなく、「今(= 現在)良い」のです。紐や糸、布、テープなどに特定の用途に間に合うだけの長さがあると思っていたのに試してみたら短すぎることが分かった時、「あ、短かった」「残念、短かった」などと言います。その紐か糸か布か...
時制について「三郎」さんへ
- 2014/04/30
- 02:26
三郎さんコメント、ありがとうございます。面白いご質問ですので、時制論シリーズの「イ形容詞」の篇を明日に廻して、この記事を挿入することにしました。>日本語の形容詞や動詞が「時に照応する必要は無い」というご説明に納得しました。授業などで「私は明日学校に行くだろう」といった日本語をよく耳にしましたが、ヨーロッパ諸語の文法体系に無理やり日本語をあてはめようとした結果、変なことになってしまったのですね。その...
時制論・存在動詞
- 2014/04/29
- 02:44
前置き日本語の動詞には、いろいろ種類があって、F爺・小島剛一の『再構築した日本語文法』では意味と構文によって9種類に分類(*)しています。(*) 動詞の分類については、後日、別の記事にします。また、意味と構文による分類とは別に「活用による分類」もあります。今日は、そのうちの「存在動詞」の活用形の一部だけを扱います。本文 第一の形態 「あった」探し物をしていてようやく見つかった時に「あった !」とか「あった、...