「たん瘤(こぶ)」の「たん-」って何?
- 2023/10/15
- 18:32
当ブログの記事〈擬似形態素の一覧表(前) : 2021年11月17日版〉に、55通目のコメントが着信しました。送信者は「霧の晴れ行く蝸牛」さんでした。趣旨が二つあって、二つ目は、〈「たんこぶ」の「たん-」は、前接擬似形態素ではないか〉というご質問でした。F爺の答えは「否」です。擬似形態素は、意味の異なる語を造るのです。「瘤(こぶ)」と「たん瘤」は、同じものです。後者が俗語である点だけが違います。新しい意味を付加する...
「騙す」と「だまくらかす」はどう違う?
- 2021/11/05
- 20:58
当ブログの記事〈F爺の苗字の漢字の字体変更〉に届いた桐野東福さんからの11月1日付けのコメントの最後の行に「だまくらかし、」という文字列がありました。「だまくらかす」は、「騙す」と同義の俗語です。F坊やも子供の頃から知っている言葉なのですが、俗語ですから、「国語」辞典に載っているかどうか、一応調べてみました。分布『広辞苑』の初版に載っていました。語義として「だます。あざむく」と出ていました。『広辞苑』...
異言語人に「田圃(たんぼ)」と「田」をどう教えるか?
- 2020/11/25
- 19:08
11月22日に掲載した記事〈「田圃(たんぼ)」と「田」はどう違う?〉の末尾に記した「推測ゲーム」に、その日のうちに反応がありました。「106」さんと星三郎さんから、異なるご意見が届いたのです。F爺の日本語講座の「初級の初歩」の詳しい講義内容を明らかにしていませんでしたから、読者の皆様には推測不可能な要素がありました。先ず、その部分を説き明かします。最初に与える語彙ひらがなとカタカナの習得の期間は、すぐには文...
「田圃(たんぼ)」と「田」はどう違う?
- 2020/11/22
- 19:17
日本時間では、今日(= 11月22日)の日付の二本目の記事です。「田圃(たんぼ)」の「-んぼ」は、加拍接辞です。当ブログの記事〈加拍接辞のリスト(第二稿)〉にも、当初から入っています。そして、当然ながら、「田圃(たんぼ)」と「田」の用法には、違いがあります。単一語として 話し言葉話し言葉では、単一語としては「田圃(たんぼ)」しか聞きません。長い形には【耳で聞いて何のことかすぐ判る】という絶対的な利点があるからでし...
「空(から)」と「空(から)っぽ」はどう違う?
- 2020/05/03
- 18:43
今日の二本目の記事です。加拍接辞「-っぽ」「空(から)」と「空(から)っぽ」は、同義です。話し言葉では、どちらも用います。後者は、俗語的な響きがするせいか、固い書き言葉では用いません。用法は異なりますが、語義には違いが無いのですから、「-っぽ」は、加拍接辞です。単独で「空(から)の箱」と「空っぽの箱」は、同じことです。後者は、俗語です。商店などで聞く「棚を空にする」と「棚を空っぽにする」「棚が空になる」と...
「原っぱ」と「原」はどう違う?
- 2020/04/27
- 20:20
「原っぱ」と「原」は、用法が違いますが、同義です。加拍接辞語義に違いが無いのですから、「原っぱ」の「-っぱ」は、加拍接辞です。単独の「原」話し言葉で単独の「原」を聞くことは、まずありません。「原っぱ」が普通の言い方です。ところで、「原っぱ」は、俗語的な響きがあるため、書き言葉では使いにくい言葉です。それでは「-っぱ」の付かない「原」を単独で普通名詞として使うかと言うと・・・そんな例は、現代語では、F...
「輪」と「輪っか」はどう違う?
- 2020/04/15
- 19:17
「輪」と「輪っか」の違いを見てみましょう。「輪っか」は俗語「輪」は、普通の語で、どんな場合にも使えます。「輪っか」は、俗語で、普通は話し言葉でしか使いません。また、誰でも用いる言葉ではありません。「輪っか」に比喩的な用法は無い「人の輪」や「連帯の輪」の「輪」を「輪っか」で置き換えることは出来ません。「輪になって踊る」の「輪」を「輪っか」で置き換える人も・・・まあ、いないでしょう。「輪っか」は、「物...