朱雀
- 2016/06/01
- 18:35
「朱雀」の読み方は、何種類あるでしょうか。「すざく」「朱雀院」「朱雀大路」「朱雀門」「朱雀天皇」「後朱雀天皇」などでは「すざく」と読みますね。「すざく」以外の読み方でも単独の「朱」だけを見たら「しゅ」か「あけ」です。「す」とは読めません。「朱色」「朱印」「朱に交われば赤くなる」などでは「しゅ」と読みます。「朱に染まる」では「あけ」と読みます。「雀」だけを見たら「すずめ」か「じゃく」か、さもなくば麻...
捨て仮名
- 2015/04/14
- 19:27
火狐さん、お手元の岩波新書の金田一春彦著『日本語』で「大豆生田」という苗字の振り仮名が全て同じ大きさの文字で「おおまみゆうだ」となっているのは、誤植ではありません。「しゃ」「ちゅ」「びょ」「ファ」「ウィ」「ジェ」「ヴォ」などの小さな「ゃ」「ゅ」「ょ」「ァ」「ィ」「ェ」「ォ」などを「捨て仮名」と言います。F爺が日本に住んでいた頃は、ルビでは「きゃ」と「きや」、「しゅ」と「しゆ」、「みょ」と「みよ」な...
耳障り
- 2015/03/29
- 18:08
「なな」さんがブログ記事「住む」にお寄せくださったコメントを全文引用します。*****そういえば「耳障り」も、誤用されることが多くないでしょうか?というのは、「耳ざわりのよい」という使い方を目にする機会があるからです。「耳触り」という言葉を誰かが作り、そこから「聞いて心地よい」という風な意味がついたのでしょうか。大学の先生が自著で使用しているのを見て、「えー、違うんじゃない??」と思ったことでした。障...
「言う」と「いう」
- 2015/03/04
- 18:45
ひらがなでは「いう」と書き、実際には「ユウ」と発音する動詞には、大きく分けて二種類の意味があります。一つは「発言する」「言明する」という意味。もう一つは、それ以外の意味です。前者の場合、F爺は、漢字かな交じりで「言う」と書きます。例 :〈太郎が花子に「花見に行こう」と言った〉〈花子は今日も「仕事がたくさんあるから今日は無理」と言う〉〈太郎が花子に「いつもいつもそう言うな。見頃が終わってしまうぞ」と言...
朝鮮語域の人名と地名
- 2014/05/18
- 00:42
粉雪さん2014年5月16日(金)付けで「漢字文明圏の人名(2)」(カテゴリー: 日本語・表記)にお寄せ下さったコメントは、大変貴重なご指摘ですので、長くなりますが、まず全文引用します。韓国で漢字を盛んに用いていたころには、東京はトンギョン、大阪はテパンと、豊臣秀吉はプンシン・スギルという具合に朝鮮漢字音で読むのが一般的でした。一方、日本では朝鮮の地名や人名を日本漢字音で読んでいました。それがハングル専用の風潮が...
漢字文化圏の人名(2)
- 2014/05/15
- 00:25
日本語の人名日本語の人名にも「本人に訊かないと読み方が判らない」ものは昔からあります。例えば「尚子」と書く名前は「なおこ」「ひさこ」「しょうこ」と読めます。「裕子」は「ゆうこ」とも「ひろこ」とも読めます。加えて、近頃の日本には「キラキラネーム」だの「DQN(ドキュン)ネーム」だのというものがあるそうです。「緑夢」と書いて「グリム」と読めと言われても、それは無理難題です。読み仮名が振ってあれば別ですが...
漢字文化圏の人名(1)
- 2014/05/14
- 03:50
漢字文化圏には、多数の言語が分布しています。海南語、閩南(びんなん)語、閩北語、閩西語、広東語、客家(はっか)語、湘語、贛(かん)語、上海語、西南官話、西北官話、晋語、下江官話、北京語などに加えて別種の文字体系と漢字を併用する朝鮮語や日本語もあります。どう読むかシナ諸語の場合、人名の漢字での書き方だけを教えてもらっても、何語を話す人なのか分からない限り、読み方は判明しません。出身地で大体の見当が付くこと...