「複数の」って幾つぐらいのこと?
- 2021/12/17
- 20:38
今日の二本目の記事です。「複数」って何?ヨーロッパ諸語などの「複数形」は、原則として「二つ以上、二人以上、二匹以上、二本以上、二枚以上・・・無限大まで」の生物や無生物を指します。ところが、多数の例外があります。例えば、# フランス語の「初恋」は、一回だけに決まっているのに複数形。# 英語の「鋏」や「ズボン」は、一丁だけ、一本だけでも複数形。# 英語の「トースト」は、何十枚あっても単数形。#「顎鬚(あごひげ)...
「一定」って何? : アンケートの纏め
- 2021/07/16
- 19:07
当ブログの記事〈「一定」って何?〉でお願いしたアンケートの纏めをします。コメントでご回答くださった洛北孫子亭さん、チョルスさん、「106」さん、星三郎さん、「みやゆふ」さん、「松本」さん、メールなどでご意見をお知らせくださった皆様、誠にありがとうございます。アンケートの質問アンケートの質問は、こうでした。 ##### 「一定(の)」を「一定していない、定まっていない、ある程度の」という意味で用いる人...
「一定」って何?
- 2021/06/18
- 18:45
(記事の末尾にアンケートのお願いがあります)「一定(いってい)」という言葉の使い方に腑に落ちないことがあるので、手許の時代物の「国語」辞典を引いてみました。『岩波国語辞典 第三版』には、こう書いてあります。(特殊な括弧や環境依存文字は、FC2ブログで間違い無く表示できる文字や括弧で置き換えました)*****《名・ス自他》(*)[1] 決まっていて変わらないこと。「一定している」[2] 決めた状態にすること。「間隔を一定す...
「アプロディーテーは美と愛の女神だ」という誤訳
- 2020/12/02
- 20:12
日本語では、世界中でローマ神話のVenusウェヌス(またはヴェヌス、ヴィーナス、ビーナス)と同一視されているギリシャ神話のἈφροδίτη (*)アプロディーテー(またはアフロディテ)について、「美と愛の女神」あるいは「愛と美の女神」という描写・性格付けが一般的であるようです。(*) 古典ギリシャ語の場合は、ラテン文字に転写すると、「Aphrodītē」となります。現代ギリシャ語の発音を国際音声字母で表わすと[afroðíːti]です。これ...
「腑に落ちない」と「腑に落ちた」: アンケートの纏め
- 2020/11/08
- 20:28
当ブログの記事〈「腑に落ちない」と「腑に落ちた」〉でお願いしたアンケートの暫定的な纏めをします。コメントでご回答くださった「猫またぎ」さん、星三郎さん、「106」さん、「MJBぢぢい」さん、yukio君、洛北孫子亭さん、メールなどでご意見をお知らせくださった皆様、誠にありがとうございます。アンケートの質問アンケートの質問は、こうでした。 質問 一 皆様は、「腑に落ちない」から派生した「腑に落...
「腑に落ちない」と「腑に落ちた」
- 2020/07/22
- 19:37
(記事の末尾にアンケートのお願いがあります)「腑に落ちない」F爺が日本に住んでいた時代には、「腑に落ちない」は、否定形でしか用いない慣用句でした。「釈然としない」「納得が行かない」という意味です。各種の「国語」辞典にも、「熟語」とか「成句」とか呼び方は違っていても、同じ説明がありました。「腑に落ちた」いつの頃からなのかは存じませんが、肯定の完了形で「腑に落ちた」という言い方をする人が出て来ています。F...
「黄色い線の内側・・・」でなく「黄色い線までお下がりください」
- 2019/10/13
- 19:17
この記事は、当ブログの記事〈黄色い線の内側〉の続篇です。日本の駅では、ホームに電車が到着する直前の構内放送で、「黄色い線の内側でお待ちください」という不条理な言い方が横行しています。聞き慣れさせられているため不条理さに気付かない方も多いかもしれませんが、「環状になっていない線の内側」というものは、存在しないのです。このため、F爺などは、《日本の鉄道会社の日本語感覚は狂っている》と何十年も慨嘆してい...