警察署の数え方
- 2014/03/31
- 00:28
三十年ほど前のことです。当時フランスの某大学の日本語学科教授だったフランス人のC夫人が「警察署が*三軒あります」と言えと学生に教えていました。学生たちからその噂を聞いて、初めのうちは「まさか・・・」と思っていたのですが、ある日、ご本人の口から「角(かど)の*一軒の警察署で・・・」という擬似日本語が飛び出しました。警察署は、一箇所に多数あるものではありません。議事堂や市役所と同じで、いちいち数を言う必要...
コンサート・本番(2014年3月)
- 2014/03/30
- 01:59
昨晩のコンサートの余韻にまだ浸っています。前半六曲目の「砂山」(〽海は荒海 向こうは佐渡よ・・・)は、中山晋平作曲の陽旋法のものです。陽旋法の音階の音だけを使って、民謡風に編曲したのですが、フランス人やアルザス人の聴衆の耳にどう聞こえるのか、少し心配でした。歌い終えたところで、これまでのコンサートでは一度もしたことの無い質問を試みました。「ただ今の曲は、西洋音楽にはあり得ない和声のみで編曲してあり、...
コンサート前夜(2014年3月)
- 2014/03/29
- 00:55
昨晩、合唱コンサートの舞台練習をやりました。酷い出来だったので満足です(←入力間違いではありません。舞台練習は、うまく行かなくて当たり前のものなのです)。うまく行くはずの無い理由はいくつもあります。「いつもの練習場と響きが違うわ。誰の声も聞こえない!」とパニックに陥っているのは、今年入団の新米さんです。周りの誰の声も普段のようには聞こえなくて当然です。ここは、石造りの大きな教会の中だから、音響は、違う...
ラズ語辞書の見出し語(日本語版)
- 2014/03/28
- 00:26
前置きこの記事は、昨日トルコ語で書いて掲載した同名の記事の日本語版ですが、トルコ語文からの翻訳ではありません。内容には、かなりの差異があります。トルコ語の原文は、ラズ語諸方言のうちの一つが話せて標準トルコ語の読み書きが出来る人を読者として想定したものです。ラズ語の動詞がいくつも引用してあるので、律儀に「翻訳」をした場合には晦渋な論文になってしまうのです。本文ラズ人の友人たちから最近、ある特定の主題...
ラズ語辞書の見出し語(トルコ語版)
- 2014/03/27
- 00:41
前置きF爺・小島剛一作成のウェブ版ラズ語辞書の見出し語の形態についてラズ人から質問があり、トルコ語で記事を書きました。某ラズ・サイトに掲載してあります。日本語版を大急ぎで作成してこのブログに掲載しますので、トルコ語の読めない方は明日までお待ちください。「なぜラズ語で書かないの ?」と不思議に思う方が多いことと思います。答えは、「ラズ語には標準語も共通語も無いし、共通文語が成立する見込みも無いから」で...
Allahにも出来ないこと
- 2014/03/26
- 00:19
回教圏(= イスラーム圏)にも宗教ネタの小噺がたくさんあります。教条主義者のいる所では出来ないことであるため、キリスト教圏に比べると「異教徒」が聞かせてもらえる頻度は低いようです。初めて聞いたものは、「なぞなぞ」の形式を取っていました。「Allahにも出来ないことがあるの知ってる?」「えっ、Allahって、全智全能だから、何でも出来るんじゃないの !?」「よく考えて御覧」「考えても無駄だと思う。降参」「じゃあ、教え...
ウブフ語の謎
- 2014/03/26
- 00:02
『漂流するトルコ』262~264ページのウブフ語に関する記述は、少数民族言語に関心を寄せる読者の興味をそそったようで、あちこちで「ウブフ語は、存続しているのか、いないのか」と話題になったと聞きました。何人かの方のブログやtwitterの記事が友人知己を通してF爺の耳にまで届いています。歯に衣(きぬ)着せずに物を言い、書くべきことは明確に書く主義のF爺がウブフ語に関しては奥歯に物の挟まったような書き方をしたのには、当...
コメントの付け方
- 2014/03/25
- 00:32
この『F爺・小島剛一のブログ』には多くの読者から貴重なコメントをメール、公開コメント、非公開コメントなどの形でいただいております。ただ、残念なことに、時折、反則をなさる方もあって困ることがあります。この辺で、コメントをするに当たって気を付けていただきたいことを纏めてお知らせします。一つ、公開コメントは(*)、その内容と直接に関連する記事に付けてください。二つ以上の記事についてご意見があるときは、ご面倒...
イングランドとウェールズで同性結婚が可能に
- 2014/03/25
- 00:27
今週末(= 2014年3月29日土曜日)から、United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandのうちイングランドとウェールズで同性結婚が可能になります。法改正とその後の「女王による承認」などの手続きは昨年中に終わっていて、法令の「夫」と「妻」を全て「配偶者」で置き換え(*)、「父」と「母」を「親」で置き換えるといった事務的な用語整備も片付き、晴れて挙式できるようになるのです。(*) 例外はあるそうです。イギリス...
語族神話と母音調和
- 2014/03/24
- 01:33
「母音調和」というのは、特定の言語で一つ一つの語の語幹や接辞の中に共存する母音の種類に制約がある現象のことです。制約の様相は言語ごとに違い、「同一言語の方言」だと見做されているもの同士でも異なることがあります。 フィンランド語フィンランド語では、母音音素が「前母音 ä、ö、y」「後母音 a、o、u」「中立(*)母音 e、i」の三つのグループに分かれていて、前母音と後母音が同一の語幹や接辞の中に共存することは、近...