馬は横目で直視する
- 2014/04/30
- 05:02
札幌にお住いの三上勝生さんが実名で制作している『三上のブログ』は、「夕食中の(= 一心不乱に胡桃(くるみ)を食べている)蝦夷(えぞ)栗鼠(りす)」など、舌を巻くばかりの写真とスケッチで綴っています。2014年4月29日付けの「優雅な無視」というタイトルのスケッチに腑に落ちないものを感じました。馬は、「花子」という名前らしいのですが、体がスケッチする人の方を向いていて、頭部が向かって右側を向いています。どうしてこの...
時制について「三郎」さんへ
- 2014/04/30
- 02:26
三郎さんコメント、ありがとうございます。面白いご質問ですので、時制論シリーズの「イ形容詞」の篇を明日に廻して、この記事を挿入することにしました。>日本語の形容詞や動詞が「時に照応する必要は無い」というご説明に納得しました。授業などで「私は明日学校に行くだろう」といった日本語をよく耳にしましたが、ヨーロッパ諸語の文法体系に無理やり日本語をあてはめようとした結果、変なことになってしまったのですね。その...
時制論・存在動詞
- 2014/04/29
- 02:44
前置き日本語の動詞には、いろいろ種類があって、F爺・小島剛一の『再構築した日本語文法』では意味と構文によって9種類に分類(*)しています。(*) 動詞の分類については、後日、別の記事にします。また、意味と構文による分類とは別に「活用による分類」もあります。今日は、そのうちの「存在動詞」の活用形の一部だけを扱います。本文 第一の形態 「あった」探し物をしていてようやく見つかった時に「あった !」とか「あった、...
キスとハグのお国ぶり
- 2014/04/28
- 01:09
日本を出て来る前の青二才のF爺は、それまで翻訳物の小説で読んだりフランス映画で見たりしたことから、漠然と「西洋人は、日本人と違って、大人同士でも人前で抱き合ったりキスしたりするものらしい」と想像していました。「でも、あれは、物語や映画の中だけの話かも・・・」と疑ってもいました。いつか僕も外国に行って、自分の目でいろいろ見てみたいなあ・・・とは思っても、貧乏人の小倅(こせがれ)には所詮叶わぬ夢だと承知...
ひらがな入力の勧め(続々)
- 2014/04/27
- 19:38
宮内さんもう一篇、短い続篇を記事にすることにしました。日本時間で今朝早くいただいたコメントの一部を引用します。>「日本語なんだから日本語で入力するのが自然」+「最初の大変さを乗り越えろ、そうすりゃあと楽だ」という説得で、多くの人はひらがな入力で覚えようとするでしょうか。覚えるキーが少ない、指を動かす範囲が狭い、という誘い文句はなかなか強力です。ひらがな入力では、鉤括弧(「)と(」)のキーの位置も憶えな...
ひらがな入力の勧め(続)
- 2014/04/27
- 01:37
宮内さん昨日掲載した記事「ひらがな入力の勧め」にお寄せ下さった二篇のコメントに纏(まと)めてお答えします。「本文中の「『異言語の文字を習うまでは母言語での入力が出来ない』という不条理そのものの事態」というのは確かにそうですね」との一節を読んで、宮内さんの基本的な論理性と言語感覚はF爺と共通だと分かって安心しました。「ひらがな入力をする方は、日本語をローマ字で入力するなんて気持ち悪い、日本語は日本語で...
ひらがな入力の勧め
- 2014/04/26
- 00:35
縁あってメール交換をするようになったBさんから、ある日、「日本語文をパソコンで作成するに当たってF爺さんは、かな入力とローマ字入力のどちらを使っているか」という意味の質問がありました。F爺は、英語は、英語式ラテン文字のQWERTYキーボードで、フランス語は、フランス語式ラテン文字のAZERTYキーボードで、トルコ語は、トルコ語式ラテン文字のキーボードで、ギリシャ語は、ギリシャ文字のキーボードで、マケドニア語は、...
トルコ政府のクルド語認識
- 2014/04/25
- 02:01
T君2014年3月26日の記事「ラズ語辞書の見出し語(トルコ語版)」(カテゴリー : ラズ語)に2014年4月22日付でお寄せ下さったご質問にお答えします。ご質問は「1998年頃のトルコ政府のクルド語認識」に関するものですね。長くなりますが、誤解が起らないように、コメントを全文、引用します。先日読んだ本(中川喜与志「クルド人とクルディスタン」)の中に思いがけず小島さんの名前を見つけて、仰天しました。少し長くなりますが引用しま...
「言語学」って何?
- 2014/04/24
- 01:20
十年ぐらいか、もしかするともっと前のことです。年末年始の休暇をぐうーっと引き伸ばして三週間ばかりヒマラヤのアンナプルナ山系でトレッキング(*)をした帰路、標高1600m前後の尾根にあるDhampus(**)という村に下りて来て一泊しました。(*) ネパールは、冬が乾季なので、日本と逆で「冬山が安全」なのです。一度だけ夏の雨季にトレッキングをしたことがありますが、木の下を通ると吸血蛭が「降って」来るので対策が大変でした。...
アンリ四世の贋ミイラ
- 2014/04/23
- 02:06
フランス国王アンリ四世(1553-1610)の墓は、他のフランス国王の墓と前後して、フランス革命のすぐ後の時代に(1793年)暴(あば)かれたことが分かっています。ミイラになっていた歴代の国王の遺体は、晒(さら)し物になった後、共同墓穴に捨てられたはずです。ところが、「アンリ四世のミイラの頭部を所有している」と信じている蒐集家が出て来ました。死後400年に当たる2010年になって、その頭部を検分した法医学者のPhilippe Charlie...