「アホ・バカ」論議(続)
- 2016/03/31
- 18:33
この記事は、表題の通り、3月18日付けのブログ記事〈「アホ・バカ」論議〉の続篇です。粉雪さんからの再度のコメントで、『全国アホ・バカ分布考』(松本修、新潮文庫、1996)に書いてある「*ほんじなし」という形態の語が実在する可能性は、限りなくゼロに近いと判明しました。コメントの一部を引用します。*****「ほんじなし」と類似していると思ったのは、具体的には「ほじなし」という語で、秋田県横手市、岩手県奥州市の人が自...
「日本人」の定義(2)
- 2016/03/30
- 22:20
前篇の〈「日本人」の定義(1)〉に〈現代の標準日本語を第一言語とすることを「日本人」の条件の一つとした場合、標準語成立以前の日本列島の住民は『日本人ではない』ことになるのか〉という意味のご質問が数人の方からメールで届きました。また、今朝、在地人さんからも同じ趣旨のコメントがありました。掲載予定を変えて、〈標準語成立以前の「日本人」の定義〉を主題として、この記事を今日、掲載することにしました。在地人さ...
「日本人」の定義(1)
- 2016/03/29
- 19:56
大変お待たせしましたが、ブログ記事〈「日本人」とは何か〉でお願いした2016年2回目のアンケートの纏めをします。問題を提起してくださったtngcytkさん、コメントでお応え下さった火狐さん、チョルスさん、馬場伸一さん、「106」さん、IHさん、在地人さん、宮内さん、そしてメールでご意見をお寄せ下さった皆様、どうもありがとうございます。日本国籍者アンケートにお答えくださった方々の中では、tngcytkさんだけが〈「日本人」...
ベルギー人の定義
- 2016/03/28
- 18:57
前置きブログ記事〈「日本人」とは何か〉で話題にした「日本人」の定義の纏(まと)めをする前に、「日本人」とは比較にならない一例として、「ベルギー人」の定義を説明します。「国籍の共有」と「言語・文化の共有」とは別のことなのです。本文多言語状況ベルギーは、公用語だけでも北部でフラマン語、南部でフランス語、東端部でドイツ語の三言語を用いています。首都のブリュッセルは、公には「フランス語とフラマン語の二言語併...
「ある/いる」と「だ/です/である」
- 2016/03/27
- 20:13
長い前置きブログ記事「朝鮮語とトルコ語と日本語」にtngcytkさんから届いた二通目のコメントに「状態や存在を表す動詞の有無」という表現があって、びっくりしました。F爺は、「英語の「be動詞」に相当する物が、日本語にはありませんが、トルコ語にはあります」と書きました。しかし、決して〈日本語に「状態や存在を表わす動詞」が*無い〉などとは書いていないのです。日本語に〈英語の「be動詞」に相当するもの〉はありません...
夏時間2016
- 2016/03/27
- 18:40
今年は今日(3月27日)未明にEU(= 欧州連合)が夏時間に移行しました。偶々(たまたま)復活祭と重なったので明日は祝日です。そのお蔭で例年よりも「行政時差」に慣れるのが楽ですが、生理的なリズムを壊されるので、迷惑に変わりはありません。F爺が夏時間制度に反対する理由は、一年前の「夏時間」という記事に書きました。ついでに「冬時間」という記事も読み返してみました。毎年のことだけど、やれやれ・・・。夏時間制度を是とす...
誤用学者は誤読症
- 2016/03/26
- 18:32
池内恵(いけうち・さとし)が、小島剛一のことを話題にした最初のFacebook記事にこう書いています。*****今どこに住んで何をしているか、続編に書いてありますが、なるほどと思います。*****とんでもない誤読です。このブログの幾つもの記事で書いた通り、F爺には現住所、現勤務先、家族のことなどを公表する意思はありません。副業の折り紙教室などは、公表していますが。『漂流するトルコ』の56ページに、1987年にどこに住んで何...
復活祭・雑感
- 2016/03/25
- 20:43
今年も復活祭の季節が巡って来ました。キリスト教の伝統の深く染み付いたフランスでは、政教分離とは言っても、最大のお祭りの復活祭は国民の生活の重要な節目です。F爺は、キリスト教徒ではありませんから、お祭りの行事に参加することはありません。でも、フランスの中でも歴史的な事情で政教分離になっていない三県(*)の一つに住んでいるため、否応無しに、その「節目」に巻き込まれます。(*) Haut-Rhinオ・ラン県、Bas-Rhinバ...
トルコ語の母音
- 2016/03/24
- 20:36
「トルコ語」と題したこのカテゴリーの記事では、トルコ語が日本語とは似ても似つかない点を挙げて行きます。今日は、トルコ語習得を試みる人が絶対に避けて通れない基本中の基本、母音音素を説明します。子音音素は、次の篇に廻します。母音文字で表記する母音音素(*)(*) 一瞬「えっ」と思う方も多いことでしょうね。トルコ語には、「母音文字で表記しない母音」も存在するのです。標準トルコ語には、母音音素が八つあります(*)。...
「浅層」分析(2)
- 2016/03/23
- 19:19
ブログ記事〈「浅層」分析(1)〉に宮内さんがお寄せ下さったコメントを受けて、予定記事「誤用学者は誤読症」(仮題)よりも先にこの続篇を掲載することにしました。宮内さんからのコメントを引用します。*****池内恵のFacebookの一つ目の記事を最初に読んだときから疑問だったのが、なぜ「抑圧している」などと自分で言ってしまうのか、ということです。「自分は『トルコのもう一つの顔』が描き出した現実から目を背けて研究を続けて...