「黛まどか」は、支援グループをお供に連れていたのだった

(「本文」の最初の注にも追記があります)

追記　2017年12月31日

この記事は、表題を変えました。

前置き

「黛まどか」シリーズの記事は、昨日「一応、最終篇」を書きましたが、一夜明けて、早々に補遺篇を書くことになりました。

本文

昨夜(= 日本時間では11月5日の朝)、ある友人が、「横浜スペイン協会」というサイトの存在を教えてくれたのです。

そのサイトの記載によると(*)、
「黛まどか」は、歩き遍路を
「脚の痛みで一時休止」
し、海部(かいふ)から〈JR土佐山田駅の手前のどこかの地点〉までの区間を「スキップ」したのだそうです。「スキップ」というのは、「歩かずに交通機関を利用した」ということです。

(*) サイトの執筆者の名前(**)は、書いてありません。いずれにせよ、責任者は、代表者の「会長　下山利明」さんのはずです。

(**) 追記　2018年5月30日

「みやゆふ」さんからのお知らせで、執筆者は「問屋正勝」というお名前の方だということが判明しています。

リンクを貼ったページには、こう書いてあります。一部をF爺が勝手に太字にしました。

引用[1]
*****
2017年4月24日

4月17日、1番札所霊山寺から一緒にお遍路を続けてきた友人(俳人の黛まどかさん)は脚の痛みで一時休止することになりました。昨年2月、高松で10年ぶりに再会したときスペイン・ガリシア州政府のシングル氏(歴史研究家)も居合わせ、三人でお遍路をする約束をしました。その時は半信半疑でしたがそれが実現したのは嬉しいことでした。セキュリティ上の理由でこれまで黛さんの実名を表わすことを控えてきました。

今日は一日中激しい雨と風の中を、先日スキップした区間の穴埋めをするために一人で列車とバスを乗り継いで土佐山田から海部まで戻って来ました。

明日からはまた一人のお遍路を続けます。

乗ったバスは板張りの床でした。高知県と徳島県は鉄道で繋がっておらずこうしたバスを利用することになります。
*****

つまり、「黛まどか」は、JR伊予北条駅(*)だけでなく、ここでも「区切って」いたのです。

(*) ブログ記事〈「黛まどか」の遍路描写には謎が多い(3)〉の「9月5日付けの記事」の項をご覧ください。

しかも、1番札所の霊山寺からJR土佐山田駅附近まで、ずっと同行(どうこう)者がいたのです。

東京新聞に載った記事のうちの数篇だけをちらっと見た限りでは、まるでずっと一人旅をしていたような書き方でした。

しかし、「横浜スペイン協会」のこのページの記載だけでは、事情がはっきりとは分かりませんね。「黛まどか」は、4月15日や16日はどこで何をしていたのでしょう。

同じサイトの別のページには、こう書いてありました。一部をF爺が勝手に赤文字や太字にしました。

引用[2]
*****
2017年4月21日

4月12日、同行の友人の脚の調子が悪いので思い切って今日は休息日にしました。室戸岬の15kmの民宿徳増)までは支援グループの車で運んでもらいました。後日単独でこの区間の埋め合わせをすることにしました。

4月13日、目が覚めて部屋のカーテンを開けると丁度朝日が上がるところでした。快晴のもと太平洋を左に、山を右に見て歩きました。若き日に弘法大師が修行をした御厨人窟(みくろど)で待ち合わせていた東京新聞の記者と合流しました。同行の友人の取材が目的です。

24番最御崎寺(ほつみさきじ)、25番津照寺(しんしょうじ)、26番金剛頂寺(こんごうちょうじ)を打って金剛頂寺の宿坊にチェックインしました。金剛頂寺ではスペイン・ガリシア州政府のシングル氏(歴史学博士)と合流しました。明日は更にスペイン国名誉領事も加わるのでどのような展開になるか楽しみです。しかし私はコーディネータなので残念ながら詳細の報告は出来ません。
*****

なあんだ・・・。「黛まどか」は、ただ「区切った」だけじゃなかった。海部から尾崎の「民宿徳増」までの約33kmは、歩くのをやめて車に乗せてもらっていたんだ。しかも、ずっと、コーディネーターと支援グループが蹤(つ)いていたんだって・・・。

舞台裏を見せてもらって有難いと言うべきか。

それとも・・・もしかしたら・・・疑わぬは初心(うぶ)な浦島爺ばかりで、今の日本で大メディアが書かせる「旅行記」なんて、みんな、こんなものなのでしょうか。

《あぁあ・・・。全部、そもそもの初めから支援グループの護衛付きの「お大名」遍路だったなんて・・・知っていたら律儀に読むんじゃなかった・・・》

でも、「黛まどか」は、もしかすると、F爺が読んでいない記事では、こうした事情を粉飾無く書いているかもしれません。

新情報の纏め

この新情報を纏めると、「黛まどか」が遍路道でやったことは、
「横浜スペイン協会」所属のコーディネーターとやらと
新聞記者と
「スペイン・ガリシア州政府のシングル氏」と
「スペイン国名誉領事」も加わって
おまけに支援グループのお車もしっかり蹤(つ)いていて
・・・要するに
〈至れり尽くせりのお膳立てに乗っかったお気楽なお散歩〉
だったのですね。

「黛まどか」が歩いていて足を痛めたというのが本当だとしても、
〈お供を連れた大名旅行〉
に近いものだったのですから、
一人歩きの本物のお遍路さんの「行(ぎょう)」とは比較になりません。
無縁です。
次元が違います。

謎

それにしても・・・謎が一つ残ります。

「横浜スペイン協会」の人たちって、どうして「黛まどか」に
〈スペイン語で「peca(s)」は「そばかす」だ。そして「罪」は、「pecado」と言う〉(*)
ってこと、教えてやらなかったのでしょうか。

(*) 未読の方は、一つ前のブログ記事〈「黛まどか」のスペイン語〉をご覧ください。