「黛まどか」は9番・法輪寺への道をどうやって間違え得たのか

前置き

「黛まどか」は、四国遍路で「通し打ち」をしたと称していますが、詐称であることが判明しています。

本人が
〈「*ワープ」した〉(*)
=「歩かずに乗り物を利用して移動した」
=「誤魔化した」
と白状している区間が二箇所(**)ありますが、『奇跡の四国遍路』には、この他にも随所に、濃厚に誤魔化し疑惑の掛かる箇所があります。

(*)「ワープ」は、本来は、SF(= 空想非科学小説)用語です。「超光速で移動する」ことです。現実には、勿論、あり得ないことです。

「黛まどか」は、「ワープ」を、SF用語とは無関係に、
「遍路の途中で歩くのをサボって何らかの乗り物を使って移動する」
という意味で使っています。恐らく、詐称遍路同士で用いる隠語なのでしょう。誤魔化したことを隠すためにカタカナ語を用いたのです。

普通の人は、単純に「電車やバスに乗りました」または「○○区間は、電車に乗って飛ばしました」などと言います。

F爺が2013年に遭遇したフランス人のS君のように、正直に「僕は、誤魔化し遍路だから、恥ずかしい」と言う人もいます。

(**)「海部から尾崎までの約33km」と「愛媛県津島町の手前の四キロ」。

「黛まどか」は、『奇跡の四国遍路』の165ページ10行目に
「その日は徳島市に泊まり、翌朝海部を目指した。膝の靭帯を傷めたため、海部から三○キロメートル程歩いていない区間があるからだ(a)」
と書いていますが、「海部から尾崎まで歩いた」とは書いていません。その区間の風景描写も一言もありません。仮に本当に歩いたのだったとしても、「歩き繋いだ」のであって、「歩き通した」のではありません。

(a) 海部から尾崎までは約33kmあります。「黛まどか」の距離計算は、常に杜撰です。

また、「津島町の手前の四キロ」については、どこにも「穴埋めをした」とは書いていません。きっと、歩いていない「空白区間」を残したままなのでしょう。スタンプ・ラリーはしたかもしれませんが、歩き遍路の「結願」などしていないのです。

本文

日本在住で『奇跡の四国遍路』を購入して丹念に読んだ遍路仲間のAさんがこう書いています。

引用

いつも通り、青字はAさんの注釈、橙色の文字の部分が「黛まどか」の文章の引用です。

*****
■P20〜21｜10行目〜2行目（2日目｜7番〜11番）

九番法輪寺への途上、道端でおしゃべりをしていた三人組のおばあちゃんたちがこちらに手を振っている。「法輪寺でしょう？違う、違う！あっちだよ！」。

→　八番〜九番に向かう道の途中で道を間違えるでしょうか…。
→　地元の人は「法輪寺」とは言わず、「九番さん」など番号で呼ぶことがほとんどですが。
*****

集合標識「たち」の誤用

F爺は、この部分を教えてもらった時、
「三人組のおばあちゃん*たち」
という奇異な文字列にまず引っ掛かりました。

[1]《おばあちゃんが偶々(たまたま)三人一緒にいるのを通りすがりに見て、どうやって「三人組」だと極め付けられるんだろう?》
[2]《「三人組」って書いたら「たち」を付けるのは誤用だ。「黛まどか」って、日本語が下手過ぎる》

それから我に返りました。Aさんのご指摘の重点は、そこじゃありません。

その後の
「八番〜九番に向かう道の途中で道を間違えるでしょうか…」
です。

9番・法輪寺への道を間違えるなんて、あり得ない

標高120mの8番・熊谷寺から石段と坂道を下って9番・法輪寺に向かう時には、登りでは気が付いていなくても、平地に建っているお寺が見えます。地図を持っていない人でも、
〈あれが9番・法輪寺だろう〉
と見当が付きます。

白地に赤の遍路マークも、必要な所にしっかり付いています。

余程雨風の酷い時か天変地異でも起らない限り、法輪寺へ行く途中で道を間違えるなんてあり得ません。

遍路道には、間違えやすいので有名な場所(*)もありますが、まさか間違える人なんているはずが無いと遍路経験者なら誰でも思う行程(**)も多いのです。

(*) 例えば66番・雲辺寺から67番・大興寺へ行く途中、「民宿青空屋」を過ぎてしばらく行った所。F爺も2013年には迷いました。2017年には、表示が見えやすくなっていて、迷いにくくなっていました。

(**) 1番・霊山寺から3番・金泉寺まで、4番・大日寺から5番・地蔵寺まで、13番・大日寺から17番・井戸寺までなど、多数あります。

「謎」を解決する説明仮説を三つ考え付きました。

[1]【「黛まどか」は、8番・熊谷寺から9番・法輪寺への行程を歩いていない】

この場合、
〈案内人が律儀に歩いている間に「黛まどか」が何らかの交通機関を利用した〉
ことになります。

遍路行の初日からそんなことをしたら、「いくらなんでも怠慢すぎる!」と案内人に愛想を尽かされそうな気がします。この仮説は、当たっていない可能性が大きいかもしれません。

[2]【「三人組のおばあちゃん」は、実在しない。「黛まどか」が「道に迷った話も一つぐらいは書いておこう」と考えて創作した。つまり、無い事件を捏造した】

[3]【「黛まどか」は、道を良く知っている遍路経験者の案内で9番・法輪寺に向かう途中、確かに年配の女が三人一緒にいる所に来合わせた。対話の内容だけが創作】

どの仮説が正しいとしても、
〈「黛まどか」は、案内人を無能だと貶(おとし)めている〉
ことになります。

もっと合理的な説明仮説は、あり得るのでしょうか。「黛まどか」の書くことは、支離滅裂で論理が破綻していますから、探すだけ無駄なのかもしれませんね。

不自然な言葉遣い

もう一つ、Aさんの重要なご指摘があります。
「地元の人は「法輪寺」とは言わず、「九番さん」など番号で呼ぶことがほとんどです」

その通りです。また、至近距離に他のお寺が無い地域では、
「お寺」
とだけ言う人も多数います。

「黛まどか」は、こんな下手な作り話を全ての読者に信じ込ませることが出来ると思っているとしたら、法輪寺に行ったことのある数知れない人を舐めてかかっています。

現地の地形・風景を知らないために一旦は信じ込まされてしまった人も、実際に8番・熊谷寺から9番・法輪寺へと歩いてみれば
「ここで道を間違えるなんて、あり得ない。騙された・・・」
という結論がすぐ出ます。