長い前置きこの記事は、ブログ記事〈
東武鉄道、JR東日本、JR西日本、南海電鉄の「外国語風」の列車名〉の続篇です。
ブログ読者の「MJBぢぢい」さんからコメントで次のような要請を戴きました。
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リバティの件です[MJBぢぢいのブログに]
コメントを書いておきました
考えをお聞かせ頂ければ嬉しいです*****
「ぢぢい」さんは、ご自分のブログでこうおっしゃっています。
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命名が批判を浴びるということはまあよくありますけど
「乗らない」とまで決意されるのは本当に厳しい姿勢ですね
リバティはもともと造語なので、私はそんなもんだと思っていました
「東武500系」と言うのと同じく記号だと(・・・)
「全く存在しない綴りを作った」点なのでしょうか?
カタカナのリバティだったらまだそこまで否定されなかったのでしょうか?(・・・)
新幹線の列車名は良いですよね
こだま、ひかり、のぞみ、みずほ、さくら、つばめ
はやぶさ、はやて、こまち、つばさ、やまびこ
つるぎ、はくたか、とき、あさま、たにがわ、かがやき
日本を代表する列車として
多くの外国人観光客が乗る列車として一本筋が通っています
変なカタカナの名前も使っていませんよね *****
後半の新幹線の列車名に関しては、「ぢぢい」さんの感性はF爺のものと変わりません。
意見が合わないように見えるのは、前半の部分だけです。
本文F爺の考えは、こうです。
[1] 特急列車の愛称を「「東武500系」と言うのと同じく記号」にするのは愚か東海道新幹線が開通したての頃の「こだま」と「ひかり」には、当時
「世界一速い!」
という意味が籠めてありました。単なる記号ではありませんでした。
後から登場した「のぞみ(= 望み)」や「とき(= 朱鷺)」「あさま(= 浅間[山])」などには、「速い」とは別の、それぞれの意味が籠めてあります。
秋田新幹線「こまち」に乗る秋田人は、「出羽の秋田で生まれた才媛・小野小町」に思いを馳せます。他の地方の人にはすぐには想像できないことかもしれませんが、千年以上に亙って「田舎訛り」「文化果つる所」などと卑しめられて来た歴史を負う乗客には重要なことなのです。
「単なる記号」でしかない列車名は、魅力がありません。
[2] カタカナの濫用は外国かぶれの表明日本独自のものごとや日本発祥のものごとに外国語風のカタカナ名前を付けるのは、外国かぶれの徴(しるし)でしかありません。愚かな「被植民地願望」の表明です。
外国の優れたものごとを取り入れるのは良いことですが、自分の文化を蔑(ないがし)ろにするのは、浅はかです。
日本人がイタリアを旅行する時は、地名、人名だけでなく駅名や列車の愛称もイタリアらしい(= イタリア語である)ことを期待するのではありませんか。
日本人がギリシャを旅行する時は、地名、人名だけでなく駅名や列車の愛称もギリシャらしい(= ギリシャ語である)ことを期待するのではありませんか。
日本人がフランスを旅行する時は、地名、人名だけでなく駅名や列車の愛称もフランスらしい(= フランス語である)ことを期待するのではありませんか。
外国人が日本に来たら、地名、人名だけでなく駅名や列車の愛称も日本らしい(= 日本語である)ことを期待するのです。
カタカナ語は、折角日本に来てくれる外国人観光客を幻滅させます。
偶(たま)に故国を訪れる在外日本人も幻滅します。
カタカナ語の濫用は、軽蔑されるのです。
[3] 意味を成さない「記号」には宣伝効果が無い「リバティ」は、日本語として何の意味も成しません。単なる音列・文字列ですから、印象が弱く、記憶にも残りにくいし、まして、普通の感性の人が愛着することはありません。宣伝効果が無いのです。
[4] 誰にも「正しく」発音できないラテン文字列は愚か「リバティ」には、「Revaty」とラテン文字が添えてありますが、これを見て「リバティ」に近い発音をするのは、
英語を生半可に齧っただけでどんな外国語も話せない日本人だけです。例外は数えるほどしか出現し得ません。
英語人が自然に読めば「リヴェイティ」に近くなります。
フランス語人なら「ルヴァティ」か「フヴァティ」、イタリア語人なら「レヴァティ」、ブラジル人なら「ヘヴァチ」と聞こえる発音をするのが自然です。
誰にも「正しく」発音できないラテン文字列をでっち上げるのは、愚かです。
[5] 意味を成さない文字列は無視されるそして、ラテン文字の「Revaty」は、F爺の知っているどんな言語でも、何の意味も成しません。外国からの観光客が見ても、印象が弱く、愛着することもあり得ず、宣伝効果はゼロです。
[6] 日本人が外国人に質問されて困るF爺は、日本滞在中に、外国人に日本のものごとについて質問を受けることがあります。
「これは、どういう謂(い)われのお祭りですか」
「お寺の山門の仁王様の一方が口を開いていてもう一方が閉じているのはなぜ?」
といった質問には快く答えてあげます。
東京の某所にカタカナで「
タイムズスクウェア」という名前の付けてある場所があります。そこで
「どうして他所(よそ)の国の無関係な場所の名前を勝手に使うんですか」
と訊かれて
「名前を付けた馬鹿に訊いてください」
としか答えられなかったことがあります。
同様の質問をされたくないから、([1]から[5]までの評価とも相俟って、)F爺は、東武鉄道の電車を利用することがあっても、
軽蔑にしか値しない名前の特急「リバティRevaty」には乗らないと決めました。
補足東武鉄道は、この他にも、由緒ある名前を捨てて、浅はかなカタカナ駅名・線名を次々に作っています。「業平橋駅」という由緒も趣(おもむき)もあった名前を捨てて「
スカイツリー駅」という国籍不明駅名にしてしまいました。悲しいことです。
東武鉄道だけのことではありません。日本人には、日本語と日本の文化を大切にしない不可解な風潮が昔からあって、それが年毎に酷くなっています。