コロナ禍の下(もと)での大晦日と1月1日0時0分
- 2021/01/01
- 19:53
2021年元日になりました。今日の日付で記事を二本掲載します。これが一本目です。
長い前置き
お正月気分の全然無い所で半世紀以上も暮らしているF爺には、年賀状を書く習慣はありません。
日本語講座の受講者には学年によって
「明けましておめでとうございます」
「謹賀新年」
「賀正」
「新春のお慶びを申し上げます」
などを教えますが、自分では、長年、書いたことも言ったこともありません。
2020~2021年の年末年始は、日本とは桁違いに悲惨なコロナ禍のせいで
【休暇なのにどこへも行けない】
【12月24日と12月31日以外は、友人たちと招待し合うことも出来ない】
という特別の事情があり、
《元日は、どの記事を掲載しようかな》
と数日前から考えていました。
そして、昨日、ある友人から届いたメールに貼ってあったリンクの先の記事を読んで、
《あ、これに決めた!》
候補に挙げていた多数の記事は、全て1月2日以降に廻すことにしました。
一本目のこの記事は、予告通り、大晦日の晩と夜中過ぎの様相の描写だけをします。
短い本文
最初の爆竹
フランス時間で2020年12月31日18時10分。日没前から鎧戸をしっかり下ろして防御態勢を固めたF爺の隠れ家に、遠くから、最初の爆竹の音が聞こえました。違法行為ですが、長年の習慣で、
「一発だけなら取り締まられることは無い」
と、みんな知っているのです。
いつもの年なら、F爺は、
《ああ、始まった。煩(うるさ)いなあ。でも、この土地の伝統なんだし、一年に一回だけだから、我慢するしか無い》
と思うのですが、今年は違います。
《あの人たちは、Covid-19にやられて入院だの隔離だのさせられてはいないんだな。運の好いことだ。それとも・・・誰か近親の人を亡くして、葬儀も満足に出来なくて、自棄(やけ)になって爆竹で憂さ晴らし・・・っていうんでなければいいけど》
大切な人をCovid-19に攫(さら)われてしまった友人知己が何人もいると、昨年までは考えもしなかった「的を射ているかもしれない気の毒な事情の推測」が次々に脳裡を過(よぎ)ります。
23時56分
19時・・・20時・・・21時・・・22時過ぎても、二回目の爆竹がなかなか聞こえて来ません。
《さっきの一発だけが例外ってこともあり得るなあ》
23時56分になっても、何も聞こえて来ません。今年は、「違法行為」をする人が本当に少ないようです。
2021年1月1日0時0分
0時0分になった瞬間、遠くのどこかから、爆竹の音が二発続けて聞こえました。さらに三発目、四発目・・・・n発目。
みんな、今年は、律儀に0時0分を待っていたのですね。
0時4分。すぐ近く、多分50mと離れていない辺りから一発。
0時5分。同じ方向から、同じ大きさの爆音が二発連続で。数秒後、別の方向から次々に爆音。
いつもの年に比べて「とても静か」です。小止(こや)み無くバチバチドカドカビチンバチンバババドドドガガガバーンドーンダダダダダ・・・と続きません。
《何だか、どこのお宅も、少人数で湿っぽい「宴会」をしているみたいだなあ》
0時17分
《あれっ、爆竹が聞こえなくなって、何分も経ってるぞ。変だなあ》
0時38分
依然として静寂が続いています。そろそろ寝ても、安眠を妨げられることは無さそうです。大事を取って、あと五分だけ起きていることにします。
元日の朝
夜中の爆音に悩まされることは無く、ぐっすり朝まで眠りました。
今回の「真夜中の爆竹」は、ストラスブールのF爺の住んでいる地区に限って言えば、
〈例年の百分の一にもならない〉
規模でした。
爆竹を製造したり売ったりして生計を立てている人も、商売上がったりで不景気な顔をしていることでしょう。
今朝は、好いお天気です。日が昇る頃、一時間ほど散歩に出ましたが、誰にも遇いませんでした。
《2021年は、2020年よりもマシな年になるといいな》
長い前置き
お正月気分の全然無い所で半世紀以上も暮らしているF爺には、年賀状を書く習慣はありません。
日本語講座の受講者には学年によって
「明けましておめでとうございます」
「謹賀新年」
「賀正」
「新春のお慶びを申し上げます」
などを教えますが、自分では、長年、書いたことも言ったこともありません。
2020~2021年の年末年始は、日本とは桁違いに悲惨なコロナ禍のせいで
【休暇なのにどこへも行けない】
【12月24日と12月31日以外は、友人たちと招待し合うことも出来ない】
という特別の事情があり、
《元日は、どの記事を掲載しようかな》
と数日前から考えていました。
そして、昨日、ある友人から届いたメールに貼ってあったリンクの先の記事を読んで、
《あ、これに決めた!》
候補に挙げていた多数の記事は、全て1月2日以降に廻すことにしました。
一本目のこの記事は、予告通り、大晦日の晩と夜中過ぎの様相の描写だけをします。
短い本文
最初の爆竹
フランス時間で2020年12月31日18時10分。日没前から鎧戸をしっかり下ろして防御態勢を固めたF爺の隠れ家に、遠くから、最初の爆竹の音が聞こえました。違法行為ですが、長年の習慣で、
「一発だけなら取り締まられることは無い」
と、みんな知っているのです。
いつもの年なら、F爺は、
《ああ、始まった。煩(うるさ)いなあ。でも、この土地の伝統なんだし、一年に一回だけだから、我慢するしか無い》
と思うのですが、今年は違います。
《あの人たちは、Covid-19にやられて入院だの隔離だのさせられてはいないんだな。運の好いことだ。それとも・・・誰か近親の人を亡くして、葬儀も満足に出来なくて、自棄(やけ)になって爆竹で憂さ晴らし・・・っていうんでなければいいけど》
大切な人をCovid-19に攫(さら)われてしまった友人知己が何人もいると、昨年までは考えもしなかった「的を射ているかもしれない気の毒な事情の推測」が次々に脳裡を過(よぎ)ります。
23時56分
19時・・・20時・・・21時・・・22時過ぎても、二回目の爆竹がなかなか聞こえて来ません。
《さっきの一発だけが例外ってこともあり得るなあ》
23時56分になっても、何も聞こえて来ません。今年は、「違法行為」をする人が本当に少ないようです。
2021年1月1日0時0分
0時0分になった瞬間、遠くのどこかから、爆竹の音が二発続けて聞こえました。さらに三発目、四発目・・・・n発目。
みんな、今年は、律儀に0時0分を待っていたのですね。
0時4分。すぐ近く、多分50mと離れていない辺りから一発。
0時5分。同じ方向から、同じ大きさの爆音が二発連続で。数秒後、別の方向から次々に爆音。
いつもの年に比べて「とても静か」です。小止(こや)み無くバチバチドカドカビチンバチンバババドドドガガガバーンドーンダダダダダ・・・と続きません。
《何だか、どこのお宅も、少人数で湿っぽい「宴会」をしているみたいだなあ》
0時17分
《あれっ、爆竹が聞こえなくなって、何分も経ってるぞ。変だなあ》
0時38分
依然として静寂が続いています。そろそろ寝ても、安眠を妨げられることは無さそうです。大事を取って、あと五分だけ起きていることにします。
元日の朝
夜中の爆音に悩まされることは無く、ぐっすり朝まで眠りました。
今回の「真夜中の爆竹」は、ストラスブールのF爺の住んでいる地区に限って言えば、
〈例年の百分の一にもならない〉
規模でした。
爆竹を製造したり売ったりして生計を立てている人も、商売上がったりで不景気な顔をしていることでしょう。
今朝は、好いお天気です。日が昇る頃、一時間ほど散歩に出ましたが、誰にも遇いませんでした。
《2021年は、2020年よりもマシな年になるといいな》