「祈り」とは叶わぬことを願うこと

今日の二本目の記事です。

「祈る」の意味と用法

当ブログの記事
〈日本行きの飛行機やーい【2021年版】〉
に星三郎さんがお寄せくださったコメントに対するF爺の返信を自己引用します。

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星三郎さん

>「祈り」も大きな雲状系を成しているというわけですね。考えれば考えるほど奥の深い命題です。

【自分(たち)の努力だけでは決まらないことの実現を希(こいねが)う、希求する】
というのが「祈る」の全ての用法について言えそうです。

「好天」
「恵みの雨」
「収穫」
「大漁」
「穏やかな海路」
「好運」
「旅の無事」
「まだ約束を取り付けていない助力」
などを頼みにする気持ちに繋がります。

「敵方や競争相手の失策」
を希う場合は「祈る」よりも「呪う」ほうかもしれませんが、「いのる」と「のろう」は、同源であり得ます。

「好運を祈る」と言いますよね。運は、巡って来ることがあります。

一方、「奇跡を祈る」という音列・文字列が馬鹿げているのは、
【祈ったところで奇跡など起こらない】
と皆が知っているからでしょうね。
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「祈る」の定義候補

この時以来
《「祈る」って何だろう。一言で定義することは、可能だろうか》
という命題が時々頭を過(よぎ)るようになりました。

数日前、当ブログの記事〈大阪市北区のビル放火殺人事件〉
にコメントをお寄せくださった鱈太郎さんへの返信にこう書きました。自己引用します。

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(・・・)
大阪北区のビル四階放火殺人事件で亡くなった方々のためには最早(もはや)「冥福を祈る」ことしか出来ません。
【祈りとは、叶わぬことを願うこと】
と見つけたり。

〈自力では叶わない〉場合と
〈どう転んでも叶うはずが無い〉場合と
ありますが。
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返信を掲載した後で気付きました。これが上の「命題」の一つの答えになっています。繰り返します。

【祈りとは、叶わぬことを願うこと】

偶然かどうかは判りませんが、五七五になっています。唱えやすい「呪文」です。

そして、「叶わぬことを願う」のは、自分の無力さの認識です。

信心の有無とは無関係

もう一つ、気の付いたことがあります。

「祈り」という行為は、信仰・信心の有無とは無関係です。「自分の無力さの認識」なのですから、無宗教者や無神論者にも何かを「祈る」ことがあります。超自然の存在や特定の神格を想定する必要は無いのです。

幼少の頃から自分を「無宗教無宗派」と認識して来たF爺が時に何かを「祈る」ことを厭わないのは、自分の力だけでは実現しないことがあるのを知っているからなのです。

自分の言動に矛盾は無いことが判って、心静かになりました。

「加持祈祷」「神佛に祈願」などという宗教色の濃い表現もありますが、宗教のほうが既存の語彙を利用したのでした。