クイズの正解 :「ウクライナ情勢」→「同期の桜」
- 2022/03/30
- 18:41
今日の二本目の記事です。
当ブログの記事〈ウクライナは3月17日の朝まで燈火管制〉の末尾の「余談」の項でお願いしたクイズの正解を発表します。
コメントでご回答くださった「106」さん、「883s」さん、馬場伸一さん、
メールなどでご意見をお知らせくださった皆様、
誠にありがとうございます。
クイズの問題
クイズの問題は、次の通りでした。
#####
〽貴様と俺とは同期の桜 同じ兵学校の庭に咲く・・・
と始まる「同期の桜」では、
【桜 = 兵隊】
という図式を自明のこととしています。
クイズの問題は、一つだけです。
F爺がフランス人の日本語講座受講者にこの図式【桜 = 兵隊】が成立する事情をどう説明したのか、
当ててみてください。
#####
ご回答
「106」さん
*****
F爺様
「桜の花は一斉に咲き、ほどなく一斉に散ってしまう。
当時の日本軍は、特に戦況が悪くなってからは、次々と新兵を採用してはすぐに前線に送り出す、という戦い方にならざるを得なくなっていた。
一斉に戦場に赴いて、一斉に命を散らすさまが、桜の花が辿る経過と似ていることから、【桜 = 兵隊】という例えができた。」
このように説明されたのだろう、と思います。
この歌は、「お国のために死んでくれ」という教育がまかり通っていた時代の産物だと思います。
今の見方、考え方からすれば、若者に死ねと命じることは誤りなのでしょうが、
では当時、どうすれば良かったのか、となりますと、全く見当もつきません。
*****
「883s」さん
*****
F爺さん
「同期の桜」をWeb検索して歌詞の全体を読んでみたところ、すぐに見当はつきましたが、どうすれば非日本人の方々に正しく説明できるのかを考えてみると、非常に難しいですね…。
1. 日本の桜の多くは染井吉野であり、「同期の桜」における「桜」も染井吉野だと考えられる
2. 日本全国で植えられている染井吉野は同じ原木から殖やされた物がほとんどなので、同じ地域に植えられた桜は、開花から数日で一斉に満開になり、その数日後には一斉に散り始める
3. 桜は日本では古くから親しまれていて、また、花びらの散り方が特徴的なことから、「花が散る」と聞くと、多くの日本人が桜を真っ先に思い浮かべる
4. 日本語の「散る」は、「桜の花が散る」の様に、花が枝から離れて落ちることを表す際に用いられるが、健康で若々しい人が、戦争で自ら死地に赴き、戦死することに対しても比喩的に用いられる(「106」さんも回答のコメントで「命を散らす」とお書きになっていますね)
5. これらのことから、「同じ兵学校の庭に咲」き、同じ戦地で戦死するであろう自分達のことを、同じ場所で同時に咲き、同時に散る桜の木々に例えているので、【桜 = 兵隊】という図式が成立する
上記を回答と致します。
*****
一箇所だけ誤解があったため、F爺が次のように返信しました。
#####
「883s」さん
詳細な分析と推論、ありがとうございます。一箇所だけ、誤解があるようです。
>日本全国で植えられている染井吉野は同じ原木から殖やされた物がほとんどなので
染井吉野は、他の種類の桜の花粉を受粉しないと、実を付けません。「次の世代の木になる
染井吉野の種子」というものは、存在しないのです。そのため、日本全国だけでなく、世界中の
染井吉野が偶然の交雑で出現した原木から接ぎ木や挿し木で殖やしたクローンです。
遺伝子が同一であるため、同じ土質、同じ降雨量、同じ日照条件で同じ気温の所に植えられている
染井吉野は、同時に開花し、同時に散ります。
「桜吹雪」というものを見たことの無い非日本人には、「桜が一斉に散る」こと自体が想像しにくく、
それと「若武者が一斉に戦死する」ことが象徴として結び付くというのは、直感的には
理解しがたいことのようです。
でも、詳しい説明を受けて理解すると
「あ、じゃあ、お花見って・・・」
と絶句する人もいます。
#####
馬場伸一さん
*****
桜が「一斉に咲き、一斉に散る」という光景をなんとも美しいと感じてしまう私は、やはり日本人なんでしょうねえ。
花吹雪を見たことのない外国人にうまく説明する自信はないのですが、サムライの時代には「勇戦して華々しく戦死する」ことが称揚されたため、派手に花びらを撒き散らしながら散っていく桜が武士=兵士の象徴として捉えられることが定着した、というような説明をすると思います。なかなかピンと来ないとは思いますが。
*****
正解
正解を発表します。F爺が日本語講座で、軍歌「同期の桜」に関する質問が出る度(たび)に、毎年のように説明しているのは、次のことです。
【染井吉野は、実を付けることが無い。全て同一個体のクローン。そのため花は、一斉に咲き、一斉に散る】
→【負け戦(いくさ)の新兵は、染井吉野の花のように、若い盛りに一斉に戦場で散ってしまう。子孫を遺す機会さえも無しに】
当ブログの記事〈ウクライナは3月17日の朝まで燈火管制〉の末尾の「余談」の項でお願いしたクイズの正解を発表します。
コメントでご回答くださった「106」さん、「883s」さん、馬場伸一さん、
メールなどでご意見をお知らせくださった皆様、
誠にありがとうございます。
クイズの問題
クイズの問題は、次の通りでした。
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〽貴様と俺とは同期の桜 同じ兵学校の庭に咲く・・・
と始まる「同期の桜」では、
【桜 = 兵隊】
という図式を自明のこととしています。
クイズの問題は、一つだけです。
F爺がフランス人の日本語講座受講者にこの図式【桜 = 兵隊】が成立する事情をどう説明したのか、
当ててみてください。
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ご回答
「106」さん
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F爺様
「桜の花は一斉に咲き、ほどなく一斉に散ってしまう。
当時の日本軍は、特に戦況が悪くなってからは、次々と新兵を採用してはすぐに前線に送り出す、という戦い方にならざるを得なくなっていた。
一斉に戦場に赴いて、一斉に命を散らすさまが、桜の花が辿る経過と似ていることから、【桜 = 兵隊】という例えができた。」
このように説明されたのだろう、と思います。
この歌は、「お国のために死んでくれ」という教育がまかり通っていた時代の産物だと思います。
今の見方、考え方からすれば、若者に死ねと命じることは誤りなのでしょうが、
では当時、どうすれば良かったのか、となりますと、全く見当もつきません。
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「883s」さん
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F爺さん
「同期の桜」をWeb検索して歌詞の全体を読んでみたところ、すぐに見当はつきましたが、どうすれば非日本人の方々に正しく説明できるのかを考えてみると、非常に難しいですね…。
1. 日本の桜の多くは染井吉野であり、「同期の桜」における「桜」も染井吉野だと考えられる
2. 日本全国で植えられている染井吉野は同じ原木から殖やされた物がほとんどなので、同じ地域に植えられた桜は、開花から数日で一斉に満開になり、その数日後には一斉に散り始める
3. 桜は日本では古くから親しまれていて、また、花びらの散り方が特徴的なことから、「花が散る」と聞くと、多くの日本人が桜を真っ先に思い浮かべる
4. 日本語の「散る」は、「桜の花が散る」の様に、花が枝から離れて落ちることを表す際に用いられるが、健康で若々しい人が、戦争で自ら死地に赴き、戦死することに対しても比喩的に用いられる(「106」さんも回答のコメントで「命を散らす」とお書きになっていますね)
5. これらのことから、「同じ兵学校の庭に咲」き、同じ戦地で戦死するであろう自分達のことを、同じ場所で同時に咲き、同時に散る桜の木々に例えているので、【桜 = 兵隊】という図式が成立する
上記を回答と致します。
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一箇所だけ誤解があったため、F爺が次のように返信しました。
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「883s」さん
詳細な分析と推論、ありがとうございます。一箇所だけ、誤解があるようです。
>日本全国で植えられている染井吉野は同じ原木から殖やされた物が
染井吉野は、他の種類の桜の花粉を受粉しないと、実を付けません。「次の世代の木になる
染井吉野の種子」というものは、存在しないのです。そのため、日本全国だけでなく、世界中の
染井吉野が偶然の交雑で出現した原木から接ぎ木や挿し木で殖やしたクローンです。
遺伝子が同一であるため、同じ土質、同じ降雨量、同じ日照条件で同じ気温の所に植えられている
染井吉野は、同時に開花し、同時に散ります。
「桜吹雪」というものを見たことの無い非日本人には、「桜が一斉に散る」こと自体が想像しにくく、
それと「若武者が一斉に戦死する」ことが象徴として結び付くというのは、直感的には
理解しがたいことのようです。
でも、詳しい説明を受けて理解すると
「あ、じゃあ、お花見って・・・」
と絶句する人もいます。
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馬場伸一さん
*****
桜が「一斉に咲き、一斉に散る」という光景をなんとも美しいと感じてしまう私は、やはり日本人なんでしょうねえ。
花吹雪を見たことのない外国人にうまく説明する自信はないのですが、サムライの時代には「勇戦して華々しく戦死する」ことが称揚されたため、派手に花びらを撒き散らしながら散っていく桜が武士=兵士の象徴として捉えられることが定着した、というような説明をすると思います。なかなかピンと来ないとは思いますが。
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正解
正解を発表します。F爺が日本語講座で、軍歌「同期の桜」に関する質問が出る度(たび)に、毎年のように説明しているのは、次のことです。
【染井吉野は、実を付けることが無い。全て同一個体のクローン。そのため花は、一斉に咲き、一斉に散る】
→【負け戦(いくさ)の新兵は、染井吉野の花のように、若い盛りに一斉に戦場で散ってしまう。子孫を遺す機会さえも無しに】