擬似比較級の「より良い」とカタカナ語の「ベター」「ベスト」
- 2022/07/29
- 18:51
今日の二本目の記事です。
大変お待たせしましたが、〈擬似比較級の「より(大きい)」という言い方は止(や)めましょう〉と題した記事に届いた「屋根裏部屋のAlto弾き」さんからのコメントへの返信で予告した記事をお届けします。
カタカナ語の「ベター」
カタカナ語の「ベター」は、英語の「good」の比較級「better」を借用した無用語彙です。
本来は、
「別の何かよりも良い」
という意味なのですが、
カタカナ語の「ベター」に化けると、頻繁に語義がずれて曖昧になります。
F爺が実際に耳にしただけでも
「こっちのほうがよりベターだ」だとか
「これが一番ベターだ」
などという言い方が大手を振って罷り通っています。原級の「good」と同じ意味で使っているのです。従って、存在意義は皆無です。日本語文の中で「ベター」を使用するのは、言語病理現象です。
カタカナ語の「ベスト」
カタカナ語の「ベスト」は、英語の「good」の最上級「best」を借用した無用語彙です。
本来は、
「同類の物の中で一番良い」
という意味なのですが、
F爺が実際に耳にしただけでも
「こっちのほうがよりベストだ」だとか
「これが一番ベストだ」
などという言い方をする人が珍しくありません。英語のbestと同じ意味だと思い込んでいると、開いた口が塞がらないことになります。原級の「good」と同じ意味で使っているのです。従って、存在意義は皆無です。日本語文の中で「ベスト」を使用するのは、言語病理現象です。
なお、多数ある商品の中から気に入った物を択ぶ場面では、
「これが良い」
と言えば、
「たくさんある物のうちでこれが自分にとっては一番良い」
という意味ですから、それだけで既に英語の最上級に相当することを表現しています。
「一番」や「最も」と付け加える必要さえありません。
擬似比較級の「より良い」
擬似比較級の「より良い」も、勿論、存在意義の無い文字列・音列です。
「(あっちよりも)こっちのほうが良い」
と言えば、英語の比較級に相当することを表現しています。
選択肢を二つ示して
「どっちが良い?」
と訊いた場合も、英語の比較級に相当することを表現しています。
返答は、日本語人同士であれば
「こっち!」
だけで十分です。
「・・・が良い」
と続ける必要さえありません。
日本語は、物事を簡潔に的確に言い表わすことの出来る言語です。日本語文にわざわざ無用語彙を鏤(ちりば)めて「何について何を言いたいのか誰にも分らない」曖昧至極な似非言語に改変する似非日本語人が後を絶ちません。詐欺師、政治家、半文文士などに特に多いようです。そして、そんな輩に限って、自分が似非(えせ)日本語を喋りかつ書き殴っている事実を棚に上げて、
「日本語は、曖昧だ」
とほざきます。
お断り
この記事は、「日本語・語彙・無用語彙」の書庫に入れます。しかし、「ベター」「ベスト」を「無用語彙のリスト」には載せません。理由は、こうです。
【カタカナ語の大多数が無用語彙であるため、「カタカナのみで書く無用語彙」は、数が多過ぎて載せる意味が無い】
のです。悲しいかな、これが日本語の現実です。
予告
近日中に「カタカナのみで書く夥(おびただ)しい無用語彙」のうちのほんのいくつかだけを例として挙げる記事を掲載します。
大変お待たせしましたが、〈擬似比較級の「より(大きい)」という言い方は止(や)めましょう〉と題した記事に届いた「屋根裏部屋のAlto弾き」さんからのコメントへの返信で予告した記事をお届けします。
カタカナ語の「ベター」
カタカナ語の「ベター」は、英語の「good」の比較級「better」を借用した無用語彙です。
本来は、
「別の何かよりも良い」
という意味なのですが、
カタカナ語の「ベター」に化けると、頻繁に語義がずれて曖昧になります。
F爺が実際に耳にしただけでも
「
「
などという言い方が大手を振って罷り通っています。原級の「good」と同じ意味で使っているのです。従って、存在意義は皆無です。日本語文の中で「ベター」を使用するのは、言語病理現象です。
カタカナ語の「ベスト」
カタカナ語の「ベスト」は、英語の「good」の最上級「best」を借用した無用語彙です。
本来は、
「同類の物の中で一番良い」
という意味なのですが、
F爺が実際に耳にしただけでも
「
「
などという言い方をする人が珍しくありません。英語のbestと同じ意味だと思い込んでいると、開いた口が塞がらないことになります。原級の「good」と同じ意味で使っているのです。従って、存在意義は皆無です。日本語文の中で「ベスト」を使用するのは、言語病理現象です。
なお、多数ある商品の中から気に入った物を択ぶ場面では、
「これが良い」
と言えば、
「たくさんある物のうちでこれが自分にとっては一番良い」
という意味ですから、それだけで既に英語の最上級に相当することを表現しています。
「一番」や「最も」と付け加える必要さえありません。
擬似比較級の「
擬似比較級の「
「(あっちよりも)こっちのほうが良い」
と言えば、英語の比較級に相当することを表現しています。
選択肢を二つ示して
「どっちが良い?」
と訊いた場合も、英語の比較級に相当することを表現しています。
返答は、日本語人同士であれば
「こっち!」
だけで十分です。
「・・・が良い」
と続ける必要さえありません。
日本語は、物事を簡潔に的確に言い表わすことの出来る言語です。日本語文にわざわざ無用語彙を鏤(ちりば)めて「何について何を言いたいのか誰にも分らない」曖昧至極な似非言語に改変する似非日本語人が後を絶ちません。詐欺師、政治家、半文文士などに特に多いようです。そして、そんな輩に限って、自分が似非(えせ)日本語を喋りかつ書き殴っている事実を棚に上げて、
「
とほざきます。
お断り
この記事は、「日本語・語彙・無用語彙」の書庫に入れます。しかし、「ベター」「ベスト」を「無用語彙のリスト」には載せません。理由は、こうです。
【カタカナ語の大多数が無用語彙であるため、「カタカナのみで書く無用語彙」は、数が多過ぎて載せる意味が無い】
のです。悲しいかな、これが日本語の現実です。
予告
近日中に「カタカナのみで書く夥(おびただ)しい無用語彙」のうちのほんのいくつかだけを例として挙げる記事を掲載します。