ぎっくり腰 : その後の経過

フランス時間で月曜日の夕刻(= 日本時間では火曜日)の「ギクッ、痛っ!」のその後の経過は、まあまあ順調です。

火曜日の夕方

火曜日の夕方は、速足では歩けなかったので、日本語講座に間に合うように、いつもよりも10分早く家を出ました。

いつもは講座開始の4~5分前に建物の入り口に着くようにしているのですが、9分前の到着になりました。6分ほど長く掛かったわけです。

守衛が心配してくれました。
「あ、F先生。早かったですね。歩くのに苦労しているのが遠くから見えたら杖代わりになるこの棒を持って迎えに行こうかと思っていたんですよ。大丈夫ですか」
「万全には程遠いんですけど、何とか歩けますし、階段の上り下りも出来ます」
「いやあ、F先生の健康状態に異変が起こるなんて、私がここに勤めるようになってから初めてですよ」

教室でも、いつもと歩き方が違うのを見て取って、受講生全員が心配してくれました。
「先生、時々椅子に腰掛けたらいかがですか」
「いや、こういう低い椅子に坐るのは、大変です。立ち上がる時にまた苦労しますから、立ったままのほうが楽なんですよ」

講義が終わった後、屈強な男が二人、一緒にゆっくり歩いてくれました。階段を下りる時の危険を考えてくれたのです。手摺に摑まって、そろりそろりと下ります。大丈夫です。

「先生、車でお送りしましょうか」
「いや、お気持ちは有難いんですけど、歩いて帰ります。安全ベルトに縛り付けられた格好で5分も坐ってしまうと、車から出ようとしても立ち上がれなくなっている惧(おそ)れがありますから」
「あああ、そうですね。今日は、大事を取るのが賢明ですね」

風呂

月曜日の夜は、入浴を省略して、良く絞った手拭いで体を拭くだけで我慢しました。昨晩は、二日分の垢と疲れを落とすために、ゆっくりと風呂に浸かりました。

ストラスブールの水道水は、カルキが、つまり水酸化カルシウムの含有量が多いため、飛沫(しぶき)が壁や床などに付いたのを放っておくと堆積して固まってしまい、気が付いた時に削り落とすのに苦労します。面倒ですが、毎回、一滴残らず拭きとっておくことにしています。月曜日の腰の状態では、その作業は無理でした。

ヨーロッパの大多数の都市でも、同じ状況だと聞いています。「週に一回、薬品を使って処理する」と言う人もいます。F爺は、化学薬品をなるべく使わない主義なのです。

今朝

目覚めは爽快でしたが、警戒しながら体を動かします。腰に無理が掛からないように、起き出すのに1分は掛けました。

室内を歩いてみます。鈍い痛みが時々走ります。今日も一日、重々気を付けなくてはなりません。

新聞を買ったついでに、いつもの運河に架かる橋まで行ってみました。歩くに従って腰の具合が良くなって行きます。
《これに決めた。坐ったままでいると、痛くなる。しょっちゅう立ち上がることと、頻繁に歩き廻ることだ》