「MJBぢぢい」さんがブログに「
笑ってしまいました」と題した記事を載せていらっしゃいます。
何が笑えるんだろうと思って読んでみると、
【英語版の遍路地図の某ビジネス・ホテルの場所と電話番号を示している箇所に「no one speaks English」という但し書きが付いている】
というのです。
F爺には、笑えませんでした。コメントを投稿しました。自己引用します。
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この「no one speaks English」は、誤解を招く表現です。
【他のホテル、旅館、民宿などでは、どこでも英語が通じる】
という解釈をする人が出て来ます。
F爺には、全然、笑えません。 #####
程無くご返信がありました。記事に長い追記が付いていました。追記の全文を引用します。色分けと打消し線は、F爺が勝手に施しました。
追記 2023年4月2日
この記事を掲載した後で「ぢぢい」さんのブログの記事を再確認しました。紫色の文字にした段落が加筆してありました。*****
小島先生のコメントを受けて以下の追記を行いました。
※ 以下3月31日追記> この「no one speaks English」は、誤解を招く表現です。
> 【他のホテル、旅館、民宿などでは、どこでも英語が通じる】
> という解釈をする人が出て来ます。(私の見る限り)この注釈が付された宿はここだけです。
ですから先生の危惧は杞憂でしょう。そうあって欲しいですし、そうあるべきです。
明記してなくても「四国には日本語以外通じない宿があります。」というのは大原則です。
いちいち注釈をつけると多くの宿が該当してしまいます。
【以下憶測】
それでもこういう注釈を付けたのはホテルから
「英語版地図に記載されたために日本語が話せない外国人がやってきて困っている。
掲載しないで下さいませんか?」という苦情があったのでしょう。
松下氏もずいぶん困ったのだと思います。まさか『日本にあるホテルですから「私どもは英語を話すことができません。」で一向にかまわないと思います。「日本語を理解しようとする意志、日本語が理解できなくても身振り手振りでも理解を試みようという意思のない方はお断りです。」とおっしゃって下さい。』とは言えませんよね。
903km地点(*)に立地するビジネスホテルMISORAは
891km地点・伊予西条駅周辺から
910km地点・五葉松荘
915km地点・つたのいえ(**)・松屋旅館
間20km※を埋めるとても貴重な宿です。
松下氏としてはどうしても20kmの空白地帯を作りたくないので
「『英語が話せません』と書くから掲載させて貰えませんか?」
というやり取りがあったに違いありません。
黄色い地図なら何の問題も無いこと、英語版ゆえの問題です。
松下氏の目に見えないご苦労・「お接待」が想像できる一文です。
ありがたいことです。
余談
そしてこの1行「no one speaks English」から
こういう想像をするのもお四国病の症状であり楽しみです。
※以下、歩き遍路をご存じでない方への注釈
歩き遍路は(その方の脚力によって)1日で20km~35kmほど歩きます。
1日20kmしか歩けない方にとって20kmは大問題です。
つまり
・この区間の始点にちょうど夕刻に着くように歩いて始点で宿泊する
・翌日必ずこの区間の終点まで歩いてその宿を取らないといけない
ということです。
もちろんどちらかの宿が定休日だったり満室だったりすると、途方に暮れてしまうことにもなります。バスや鉄道で別の場所に宿を取るなど策を練らないといけなくなります。
1日30km歩くお遍路さんにとっても
・必ずこの区間を日中に歩き通さないといけない
・この区間の手前10km以内から始点までの間で宿を取り、この区間の終点から先10km以内で宿を取り、かつ両端からの距離の合計は10km以内である必要がある
という制約を受けます。
歩き遍路は「歩ける距離と宿の位置を検討して宿を計画するパズル」という側面があります。
宿の空白区間距離が長くなればなるほどこの計画は難しくなります。*****
(*)「〇〇km地点」という数字は、1番・霊山寺を起点として順打ちで最短距離を歩き通した場合の累計距離です。(**) 「つたのいえ」というのは、多分、「蔦廼家(つたのや)」のことだと思います。疑問の数々F爺には、「ぢぢい」さんの計算と解釈と憶測が全く理解できません。
[1] 一冊の地図帳で一つの宿泊施設だけに「no one speaks English」と書いてあったら、「ここ以外の全ての宿泊施設では英語が通じる」という意味です。これは、「危惧」ではありません。英語文を読んだ場合の
正しい解釈です。
【四国の遍路道では、英語が殆ど通じない】ことを知らなかったと述懐する外国人は、珍しくありません。
[2] 「
20kmの空白地帯」がどこかにあるとして、それがなぜ問題になるのでしょうか。「ぢぢい」さんの距離計算は、理解できません。遍路道は、山あり谷ありです。その条件で一日に平均20km歩く人は、
【伊予西条駅付近から順打ち方向で海抜の一番高い地点は関の戸の159m地点】
という
ほぼ平らな道なら、一日で24~25kmは歩けるはずです。
[3] F爺が2019年までに遍路道で遭遇した外国人トレッカーは、例外無く、平均的な日本人よりも健脚でした。日本語が話せない上に「一日に20kmしか歩けない
足弱な人」がそんなに多いのでしょうか。 そんな人たちは、何のために異国の道を歩こうとするのでしょうか。
[4]そもそも日本語の一言も話せない人が案内人無しで遍路道を歩こうとするのが間違っています。遍路道は、
【外国人のために至れり尽くせりのサービス体制の整っている観光コースではない】
のですから。
この記事を掲載したことを「ぢぢい」さんにお知らせしました。