異音いろいろ
- 2015/04/26
- 17:27
「音素の話」シリーズです。もう一つだけ、小難しい(*)話に付き合ってください。この後は、分かりやすくなります。
(*) 追記 2022年6月18日
「小難しい」を主題にして新しい記事を立てました。是非ご笑覧ください。
一つの音素が二種類以上の音(おん)を含む場合にそれぞれの音を「異音」と言いますが、異音には「結合異音」(*)と「自由異音」があります。
(*)「組み合わせ異音」とも言います。
自由異音
自由異音というのは、同一の音素に関して、語頭、語中、語末、母音間、子音と母音の間など、どの位置でも自由に二種類以上の発音が可能な場合です。日本語では、例えば[l]と[r]が同一の子音音素の「自由異音」です。どの位置でどちらを発音しても不自然にはなりません。
結合異音または組み合わせ異音
語中の特定の位置に特定の異音だけが現れる場合を「結合異音」または「組み合わせ異音」と言います。
昨日の「アイウエオ」という記事でご紹介した「奥舌のウ」と「中舌のウ」は、結合異音の例です。
日本標準語では非鼻濁音の[ɡ](*)と鼻濁音の[ŋ](**)は単一の音素の結合異音ですが、秋田諸語や山形諸語では別個の音素/ɡ/と/ŋ/です。
(*)「学校」「銀行」「群馬県」「元気」「ゴジラ」などの語頭の子音です。
(**)「ガ行鼻濁音」が存在する地域の人の発音で「だが」「失礼ですが」「不思議」「泳ぐ」「急げ」「卵」などの最後の拍の子音です。日本語の発音を記述する論文や書籍では、半濁点を使って「カ゜」「キ゜」「ク゜」「ケ゜」「コ゜」と表示することがあります。例えば『明解日本語アクセント辞典』(a)の表示がそうなっています。F爺は入手していませんが、その改訂版の『新明解日本語アクセント辞典』(b)もそうなっていると聞きました。
(a)(b) この本の著者・監修者が「アクセント」と呼んでいる物は、実は、アクセントではなく、音調です。ブログ記事「音調」をご覧ください。
日本語の「ガ行鼻濁音」については、「秋田語」のカテゴリーの記事「ごしゃグ」でも話題にしましたが、後ほど数篇に分けて詳述する予定です。まだ「いろいろと構想を練っている」段階ですので、しばらくお待ちください。
(*) 追記 2022年6月18日
「小難しい」を主題にして新しい記事を立てました。是非ご笑覧ください。
一つの音素が二種類以上の音(おん)を含む場合にそれぞれの音を「異音」と言いますが、異音には「結合異音」(*)と「自由異音」があります。
(*)「組み合わせ異音」とも言います。
自由異音
自由異音というのは、同一の音素に関して、語頭、語中、語末、母音間、子音と母音の間など、どの位置でも自由に二種類以上の発音が可能な場合です。日本語では、例えば[l]と[r]が同一の子音音素の「自由異音」です。どの位置でどちらを発音しても不自然にはなりません。
結合異音または組み合わせ異音
語中の特定の位置に特定の異音だけが現れる場合を「結合異音」または「組み合わせ異音」と言います。
昨日の「アイウエオ」という記事でご紹介した「奥舌のウ」と「中舌のウ」は、結合異音の例です。
日本標準語では非鼻濁音の[ɡ](*)と鼻濁音の[ŋ](**)は単一の音素の結合異音ですが、秋田諸語や山形諸語では別個の音素/ɡ/と/ŋ/です。
(*)「学校」「銀行」「群馬県」「元気」「ゴジラ」などの語頭の子音です。
(**)「ガ行鼻濁音」が存在する地域の人の発音で「だが」「失礼ですが」「不思議」「泳ぐ」「急げ」「卵」などの最後の拍の子音です。日本語の発音を記述する論文や書籍では、半濁点を使って「カ゜」「キ゜」「ク゜」「ケ゜」「コ゜」と表示することがあります。例えば『明解日本語アクセント辞典』(a)の表示がそうなっています。F爺は入手していませんが、その改訂版の『新明解日本語アクセント辞典』(b)もそうなっていると聞きました。
(a)(b) この本の著者・監修者が「アクセント」と呼んでいる物は、実は、アクセントではなく、音調です。ブログ記事「音調」をご覧ください。
日本語の「ガ行鼻濁音」については、「秋田語」のカテゴリーの記事「ごしゃグ」でも話題にしましたが、後ほど数篇に分けて詳述する予定です。まだ「いろいろと構想を練っている」段階ですので、しばらくお待ちください。