「どう」と「何」
- 2015/10/26
- 19:49
donelvisさん
ブログ記事「どういたしまして(2)」にお寄せ下さったコメント二通に呼応してこの記事を立てます。
>「どう」と「何」が同じような意味で使われることもありますね。
いや、ありません。「どう」は副詞で「何」は名詞ですから、同じ意味にはなりません。
>例えば、「今度の日曜日は何をしますか」は、「今度の日曜日はどうしますか」で[置き換えて]も大丈夫ですね。
いやいや、いけません。
「今度の日曜日は何をしますか」は、日曜日だからする特別な行動の種類を訊いています。
「今度の日曜日はどうしますか」は、何か特別なことをするかどうか訊いています。
同じ場面で使うことがあるとしても、またどちらの質問にも「特筆するようなことは何もしない」という同じ答え方が可能だとしても、質問の意味が同じだということにはなりません。
>長ったらしい名前や覚えにくい名前の人に対して、「何とお呼びすればよろしいでしょうか」とも「どうお呼びすればよろしいでしょうか」とも言えますね。
この例は「何と」と「どう」の比較であって、「何」と「どう」の比較ではありませんよ。
それに・・・F爺なら、そうした場合、「何とお呼びすればよろしいでしょうか」とも「どうお呼びすればよろしいでしょうか」とも決して言いません。他の人がそう言っている場に居合わせたこともありません。
「長ったらしい名前だと自覚している人」や「相手にとって憶えにくい名前だと自覚している人」は、自分から「○○と呼んでください」と言うのが普通です。相手にとって発音不可能な名前だと知っている人は、間違った発音をされても怒ったりしません。
>一方、「お名前は何とおっしゃいますか」とは言えても、「お名前はどうおっしゃいますか」とは言えませんね。
その通りです。この一点だけは賛成です。
>「どういたしまして」の場合は、「何をいたしまして」の方が意味がはっきりしていいと思いますが、「どう」も使えないことはないと思います。いかがでしょうか。
「どういたしまして」は、「どうして」の構成要素の動詞「する」を謙譲語「いたす」で置き換え、丁寧の接辞「ます」を付けたものです。
「何をいたしまして」は、「何をして」の構成要素の動詞「する」を謙譲語「いたす」で置き換え、丁寧の接辞「ます」を付けたものです。
「私が何をしましたか/私が何をいたしましたか」は、「身に覚えが無いので、自分が何か悪いこと、責められて当然のことをしでかしたのかと相手を問い詰める」言い方です。喧嘩を吹っ掛けられた時にF爺も使うことがあります。
「私が*どうしましたか」は、意味を成しません。従って「私が*どういたしましたか」も意味を成さないのです。
もう一言、付け加えるなら、
「何でもいい」と「どうでもいい」は、全く意味が違います。
名詞の「何」と副詞の「どう」は、きちんと区別して使いましょう。また「何」と「何と」は違うということも忘れないようにしましょう。
ブログ記事「どういたしまして(2)」にお寄せ下さったコメント二通に呼応してこの記事を立てます。
>「どう」と「何」が同じような意味で使われることもありますね。
いや、ありません。「どう」は副詞で「何」は名詞ですから、同じ意味にはなりません。
>例えば、「今度の日曜日は何をしますか」は、「今度の日曜日はどうしますか」で[置き換えて]も大丈夫ですね。
いやいや、いけません。
「今度の日曜日は何をしますか」は、日曜日だからする特別な行動の種類を訊いています。
「今度の日曜日はどうしますか」は、何か特別なことをするかどうか訊いています。
同じ場面で使うことがあるとしても、またどちらの質問にも「特筆するようなことは何もしない」という同じ答え方が可能だとしても、質問の意味が同じだということにはなりません。
>長ったらしい名前や覚えにくい名前の人に対して、「何とお呼びすればよろしいでしょうか」とも「どうお呼びすればよろしいでしょうか」とも言えますね。
この例は「何と」と「どう」の比較であって、「何」と「どう」の比較ではありませんよ。
それに・・・F爺なら、そうした場合、「何とお呼びすればよろしいでしょうか」とも「どうお呼びすればよろしいでしょうか」とも決して言いません。他の人がそう言っている場に居合わせたこともありません。
「長ったらしい名前だと自覚している人」や「相手にとって憶えにくい名前だと自覚している人」は、自分から「○○と呼んでください」と言うのが普通です。相手にとって発音不可能な名前だと知っている人は、間違った発音をされても怒ったりしません。
>一方、「お名前は何とおっしゃいますか」とは言えても、「お名前はどうおっしゃいますか」とは言えませんね。
その通りです。この一点だけは賛成です。
>「どういたしまして」の場合は、「何をいたしまして」の方が意味がはっきりしていいと思いますが、「どう」も使えないことはないと思います。いかがでしょうか。
「どういたしまして」は、「どうして」の構成要素の動詞「する」を謙譲語「いたす」で置き換え、丁寧の接辞「ます」を付けたものです。
「何をいたしまして」は、「何をして」の構成要素の動詞「する」を謙譲語「いたす」で置き換え、丁寧の接辞「ます」を付けたものです。
「私が何をしましたか/私が何をいたしましたか」は、「身に覚えが無いので、自分が何か悪いこと、責められて当然のことをしでかしたのかと相手を問い詰める」言い方です。喧嘩を吹っ掛けられた時にF爺も使うことがあります。
「私が*どうしましたか」は、意味を成しません。従って「私が*どういたしましたか」も意味を成さないのです。
もう一言、付け加えるなら、
「何でもいい」と「どうでもいい」は、全く意味が違います。
名詞の「何」と副詞の「どう」は、きちんと区別して使いましょう。また「何」と「何と」は違うということも忘れないようにしましょう。