三次元の幾何学
- 2016/02/23
- 22:10
フランスにも「折り紙の原初の段階」と呼べるものがあります。昔は平凡な表現で「pliage en papier」(紙で折ること/紙で折った物)と言っていました。
一つ、長方形の紙で作る「紙飛行機」
二つ、正方形の紙で作る「cocotte en papier [紙の雌鶏(めんどり)]」という名前の物で、「そう思って見れば雌鶏に見えないことは無い」形をしています。折り方は「騙(だま)し船」と良く似ています。ご興味のある方は、「cocotte en papier」で検索すると写真や動画がたくさん出て来ます。
三つ、正方形の紙で作る「bombe à eauボンバ・オー [水弾(みずだま)](*)」という物で、日本の折り紙の「風船」と同じ物です。
(*)「bombe à eauボンバ・オー」というのは、小さなゴム風船に水を詰めてぶつけ合う真夏の遊びです。雪合戦の雪つぶての代わりに「水弾」を使うのです。
折り紙教室を始めた頃、この教室に来るくらいの人はこの三種類ぐらいは折れるだろうと見込んでいたのですが、間違いでした。
今は、大概の人は、フランスの伝統の初歩の折り紙を知らないうちに日本の芸術的な折り紙のことを見聞きするようです。そして、興味のある人は、本やインターネットで日本の折り紙の写真や動画を見ているのです。
フランス語の表現にも変化があって、日本語から入った借用語の「origami」が最近は幅を利かせています。上記の「cocotte en papier」や「bombe à eau」のことを「origami français」(フランスのorigami)と言う人がぐんぐん増えています。
ところが、折り紙の本には、図の描き方に欠陥のあるものが驚くばかり多数あります。F爺も自分の目で何度も確認しましたが、線が足りなかったり、間違っていたり、必要な図が抜けていたりします。
動画サイトを見ても、カメラの視点でしか見せてもらえませんから、何種類もの折り紙を自分で折った経験の無い人には何がどうなっているのか分からないことが多いそうです。
そうやってあちこち探した挙句、F爺の折り紙教室に辿り着いたと、皆さん、おっしゃいます。
期待に応えることをしなければ・・・と努力しますが、
「目の前で何回でも繰り返して折り方を見せてもらえるのが嬉しい」そうです。
そして・・・何週目かになると、毎年、同じ感慨を聞きます。
「直角だとか、二等辺三角形だとか・・・折り紙って、三次元空間の幾何学なんですね」
「その通りですよ」
「幾何学が芸術になるなんて、しかもそれが自分の手の中で生まれるなんて、思ってもみなかった !!」
一つ、長方形の紙で作る「紙飛行機」
二つ、正方形の紙で作る「cocotte en papier [紙の雌鶏(めんどり)]」という名前の物で、「そう思って見れば雌鶏に見えないことは無い」形をしています。折り方は「騙(だま)し船」と良く似ています。ご興味のある方は、「cocotte en papier」で検索すると写真や動画がたくさん出て来ます。
三つ、正方形の紙で作る「bombe à eauボンバ・オー [水弾(みずだま)](*)」という物で、日本の折り紙の「風船」と同じ物です。
(*)「bombe à eauボンバ・オー」というのは、小さなゴム風船に水を詰めてぶつけ合う真夏の遊びです。雪合戦の雪つぶての代わりに「水弾」を使うのです。
折り紙教室を始めた頃、この教室に来るくらいの人はこの三種類ぐらいは折れるだろうと見込んでいたのですが、間違いでした。
今は、大概の人は、フランスの伝統の初歩の折り紙を知らないうちに日本の芸術的な折り紙のことを見聞きするようです。そして、興味のある人は、本やインターネットで日本の折り紙の写真や動画を見ているのです。
フランス語の表現にも変化があって、日本語から入った借用語の「origami」が最近は幅を利かせています。上記の「cocotte en papier」や「bombe à eau」のことを「origami français」(フランスのorigami)と言う人がぐんぐん増えています。
ところが、折り紙の本には、図の描き方に欠陥のあるものが驚くばかり多数あります。F爺も自分の目で何度も確認しましたが、線が足りなかったり、間違っていたり、必要な図が抜けていたりします。
動画サイトを見ても、カメラの視点でしか見せてもらえませんから、何種類もの折り紙を自分で折った経験の無い人には何がどうなっているのか分からないことが多いそうです。
そうやってあちこち探した挙句、F爺の折り紙教室に辿り着いたと、皆さん、おっしゃいます。
期待に応えることをしなければ・・・と努力しますが、
「目の前で何回でも繰り返して折り方を見せてもらえるのが嬉しい」そうです。
そして・・・何週目かになると、毎年、同じ感慨を聞きます。
「直角だとか、二等辺三角形だとか・・・折り紙って、三次元空間の幾何学なんですね」
「その通りですよ」
「幾何学が芸術になるなんて、しかもそれが自分の手の中で生まれるなんて、思ってもみなかった !!」